電池電源の降圧コンバータで発生する問題点

電池をエネルギー源とする DC/DC コンバータでは、電池電圧の低下とともに Vout/Vin によるハイサイドスイッチの ON デューティが増加してゆきます。入出力間の電位差が充分にある場合は問題とはなりませんが、Li-ION 電池から 3.3V の IO 電圧を作る場合などには充分な電位差が無いために DC/DC コンバータによっては電池の終止電圧に注意が必要となります。

降圧型 DC/DC コンバータの ON デューティ比はおおよそ Vout/Vin となります。Li-ION 電池から 3.3V 出力を作っている場合、電池が満充電状態では 4.2V から 3.3V を作っているのでデューティ比は 3.3/4.2=0.78 となります。しかし電池の放電に伴い電池電圧が低下してくるとそれにつれて ON 時間が伸びてゆきます。ON 時間が伸びることにより OFF 時間はだんだんと短くなってゆきますが、パワースイッチが ON/OFF するにはトランジスタの ON 時間、OFF 時間、制御の為の最少パルス幅などの時間により ON 時間と OFF 時間の最少時間が発生し、それより小さなパルス幅のパルスは作れません。このパルス幅は早いものでも 35nsec、遅いものでは 200nsec 程度は必要となります。

電池電圧の低下とONデューティの変化

仮にこの最小 OFF 時間が 100nsec の製品がスイッチング周波数が 1MHz=周期 が 1000nsec で動作していた場合、ON デューティが 90% に達した時点で OFF 時間は 100nsec となるため、これ以上デューティを広げようとしても OFF 時間を 100nsec 以下には出来ないので、いきなりパルス幅が 0 となり、90% の状態から 100% 連続 ON の状態となる場合があります。この結果エネルギー供給が過剰となり、出力電圧が上昇してしまい、続く数サイクルの間デューティは 90% 以下が続き、電圧低下で再び100%が発生する、と言う状態を繰り返し、90% と 100% を行き来してその平均値で 90% と100% の間の必要なデューティとなり動作している状態となります。この結果、出力電圧変動が大きくなりリップルが増加した状態となります。さらに入力電圧が低下すると 100%ON の割合が増加し、ついにはハイサイドスイッチが連続して ON 状態となる連続 100%ON 動作となります。出力電圧でのリップルが増加しながらも出力電圧を維持できるのはここまでで、これ以上入力電圧が低下すると出力電圧もその分低下してしまいます。

Vout= Vin – Iout x ( RdsON + Ldcr )

* Vout:100% ON 時の出力電圧 RdsON:ハイサイドの ON 抵抗 Ldcr:インダクタの直流抵抗

ページトップへ