WebTHERM™ オンライン熱特性シミュレーション・ツール

WEBENCH® の WebTHERM™ オンライン・ツールは、WEBENCH でカスタム設計した電源回路の熱挙動シミュレーションを支援するツールです。設計に含まれるすべての部品は、検証済みのリファレンス・プリント基板(PCB)デザインに集積されています。環境を定義すれば、WebTHERM™ オンライン・ツールの高速、高精度シミュレータを使用できるようになります。シミュレーション結果を最終アプリケーションに近づけるため、PCB の熱モデルを調整し、設計のトレードオフを確認することも可能です。電気的定常負荷条件下での PCB 上の出力による温度変化は、色温度プロットで表示されます。一般的なブラウザを使用でき、特別なハードウェアは不要です。WebTHERM シミュレータは、設計の初期段階で PCB の発熱問題の特定を可能にし、量産開始前に問題を解決します。それにより、設計時間の大幅な低減と、コストのかかる品質関連トラブルの解消を実現します。

WebTHERM シミュレータを使用するには、最初に WEBENCH オンライン設計支援ツールで電源回路設計を行います。

 

WEBENCH® Designer


WebTHERM 熱特性パネルへの入力

部品選択と開路設計終了後、WEBENCH ナビゲーション・ヘッダー内の「熱特性」アイコン(温度計)、またはワークスペース内にある PCB の画像をクリックします。次に、PCB 設計の物理レイアウトの画像が表示され、各部品の配置と、銅箔パターンおよびそれに関連する銅箔モデルが示されます。

左側のパネルには、シミュレーションのパラメータを調整するために使用できるシミュレーション用の各種コントロールが表示されます。以下のものが含まれます。

  • 動作条件
    • 入力電圧と出力電流を変更し、設計のデューティ・サイクルと負荷を調整できます
    • 定常状態での各部品の消費電力は、これらの「OpVals」(動作時の値)タブに表示されている値に基づいて再計算されます。
  • ボードの上面と底面における周囲温度
  • 各層の銅箔重量と厚さ
  • ボードの向き、端部の温度、エアフローの方向/速度
    • 端部の温度に関しては断熱状態がデフォルトとして設定されています。シミュレーション領域に隣接する高温領域を許容するよう設定を変更することもできます。変更を加えると、ボードの温度によっては、無制限に熱の供給または吸収を行うようになります。
  • シミュレーションの名前とコメント
  • 編集済みの PCB モデルを 3D でプレビュー
 

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熱シミュレーションで使用する銅箔モデルの編集

各シミュレーションを行う前に、熱シミュレーションで使用する銅箔モデルを編集することもできます。以下の作業を実行できます。

  • PCB のサイズを拡大または縮小
  • PCB 内部層を追加または削除
  • 熱モデル部品のいずれかを移動
  • 編集済みの PCB モデルを 3D でプレビュー
    –  使用 : ボタンをシミュレーション・パネルの入力ページで
  • PCB の各層で銅箔モデルのサイズ、形状、位置を変更
    • 変更により、さまざまなレイアウト・シチュエーションを近似可能
  • 新規銅箔要素の配置や既存銅箔要素の除去
  • 任意の数のサーマル・ビアの配置、リサイズ、削除
  • これらの変更は、PCB 上の銅箔の近似である熱モデルに対して実行されることに注意してください。  長方形の銅箔を使用する必要があります。また、PCB export(PCB エクスポート)機能を使用すると、デフォルトで元のボード・レイアウトに戻ることに注意してください。
 

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All WebTHERM Simulations(WebTHERM のすべてのシミュレーション)結果の表示:

シミュレーションで使用するパラメータを希望の値に調整した後、「シミュレーションを実行」をクリックします。「All WebTHERM Simulations」(WebTHERM のすべてのシミュレーション)タブのステータス画面が表示され、シミュレーション・プロセスを確認できます。シミュレーション完了までに要する時間は、シンプルな 2 層基板の場合でわずか 10 秒、より複雑な基板の場合で 1 ~ 2 分になることがありますが、これらの時間にはシミュレーションの待ち行列処理時間は含まれていません。進捗表示画面は都度更新されるため、シミュレーション完了まで待つか、後で結果を調べることもできます。

このタブでは、複数のシミュレーション結果を容易に比較できます。各シミュレーションに関して、上面と底面にある銅箔モデルの画像と、シミュレーションの条件および結果の大半が表示されます。列見出しをクリックすると、表示を再整列できます。シミュレーションの「見る」リンクをクリックすると、完了したシミュレーションの詳細な結果ページにアクセスできます。

 

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シミュレーション結果ページ

結果ページには、シミュレーション条件すべてのサマリ、各部品の最大温度、ボードの各層全体に関するフルカラーの温度プロットが表示されます。各部品の最大温度と消費電力は、関連する表の中に表示されます。希望の温度範囲を反映するよう、カラー・プロットの「色変更」を実行することもできます。複数のシミュレーション比較時に便利です。

 

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シミュレーションの新規作成には、3 つのオプションが使用できます。

  「All WebTHERM Simulations」(WebTHERM のすべてのシミュレーション)タブ 個別のシミュレーション結果ページ
Default PCB model(デフォルト PCB モデル) x x
Last PCB model simulated(直前にシミュレートした PCB モデル) x  
Prior simulation PCB model(以前のシミュレーション PCB モデル)   x

パラメータの調整や、ボード・モデルの編集により、新しいシミュレーションを開始することもできます。設計内の BOM(部品表)に変更を加えた場合は、出発点として使用するボード・モデルに新しい部品が表示されます。

WebTHERM シミュレータは WEBENCH 環境内に包括的に統合されており、設計の熱特性と電気特性のシームレスな最適化が可能です。Web 上でこれらのタスクを統合すると、設計精度の大幅な向上と、設計サイクル時間の短縮が可能になります。


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