WEBENCH® 超音波トランスデューサ・セレクタ

時間/デジタル・コンバータ(TDC)のタイム・オブ・フライト(TOF)を迅速に計算

WEBENCH® 超音波トランスデューサ・セレクタ・ツールは、超音波センシングのニーズに最適なトランスデューサの選択を可能にします。センシングの種類、液面、液体の種類と濃度、あるいは流量に基づいて計算が行われます。

液面検出の場合は、最小と最大の液面、精度、媒質となる素材中での音速に基づいてタイム・オブ・フライト(TOF)が計算されます。車載用オプションを使用すると、システムで使用するための最適なトランスデューサ製品が表示されます。

液体の識別/濃度の場合は、距離、媒質中の音速、媒質内での変化のパーセンテージに基づいてタイム・オブ・フライト(TOF)が計算されます。車載用オプションを使用すると、システムで使用するための最適なトランスデューサ製品が表示されます。

ガス熱の流量の場合は、トランスデューサの配置、トランスデューサの間隔、直径、媒質中の音速、最小と最大の流量、流率に基づいて TOF が計算されます。

3 つの簡単なステップで TOF を計算

  • センシング測定タイプの選択
  • センシング環境のカスタマイズ
  • システムに対して推奨されるモジュール、センサ、技術資料の表示

WEBENCH® Designer
超音波トランスデューサ・セレクタ
このツールを使用すると、アプリケーションに最適な評価モジュール(EVM)とトランスデューサを表示できます。
  • 液面測定
  • 液体識別
  • 水/ガス/熱の測定

各ステップの手順

WEBENCH 超音波トランスデューサ・セレクタ・ツールを使用すると、統合型のアナログ・フロント・エンド(AFE)ファミリから、適切な時間/デジタル・コンバータ・コンポーネントを選択できます。AFE の用途は、車載用、産業用、医療、コンシューマ市場向けの、液面、液体識別/濃度、流量、近接性/距離を超音波センシングで測定するアプリケーションです。最初に、センシングの測定タイプを選択します。次に、このツールでは、使いやすい入力ボックス、ドロップダウン、スライダ・バーが表示され、センシング環境の正確なカスタム化が可能です。その後、期待される TOF と精度、アプリケーションに適した TI Design、推奨されるセンサ、技術資料、評価モジュールが表示されます。

TI の超音波 AFE は、広範なアプリケーションと最終機器に対応可能なプログラマビリティとフレキシビリティを提供します。TDC はストップウォッチの機能を果たし、START パルスから、最大 5 つの STOP パルスまでの経過時間(TOF)を測定します。START から複数の STOP までの時間を測定する機能により、どの STOP パルスが最善のエコー性能を発揮するかを選択でき、高いフレキシビリティが実現します。

TDC 製品を、MSP430/C2000 マイコンの電力特性、ワイヤレス機能、ソース・コードと組み合わせると、包括的な超音波センシング・ソリューションを実現できます。複数の動作モードから選択を行うと、低消費電力重視した TDC ファミリの採用が可能になり、バッテリ動作の流量計、液面計測器、距離/近接性測定機器の最適化が実現します。このモードでは、ホストはスリープ・モードに移行して電力を節約し、測定シーケンスが完了した時点で TDC から割り込みを受け取ってウェークアップすることができます。低ノイズのアンプとコンパレータにより、非常に小さいジッタ、ピコ秒単位の分解能と精度を実現し、0 または非常に小さい流量の測定が可能になります。

ステップ 1:センシング測定タイプの選択

このツールの上部には、測定タイプのビューを選択するためのタブがあります図 1)。超音波センシング測定には、次の 3 つの方法があります。

  • 液面検出
  • 液体の識別/濃度
  • 水/ガス/熱の流量のメーター

図 1 - 測定タイプの選択

図 1. 測定タイプの選択。


ステップ 2:センシング環境のカスタマイズ

図 2 - センシング環境のカスタマイズ

図 2. センシング環境のカスタマイズ


センシング測定タイプごとに、複数のカスタム出力が利用できます。

  1. 液面検出
    この測定タイプでは、スライダ・バーを使用した最小と最大の液面の設定、精度の決定、媒質中での音速の選択を実行できます。車載用の Q グレードに対応するチェックボックスをオンにすると、車載用グレードのリファレンスを表示できます。

    このアプリケーションでは、タンク/コンテナ内の液面を検出することを想定しています。トランスデューサは非侵襲型で、タンクの底面に取り付けられています。TDC1000 などの超音波 AFE を使用する場合は、TOF を求めることができます。これは、超音波が液体の中を貫通し、液面に当たり、トランスデューサに戻るまでに要した時間です。TOF と媒質中の音速が得られた場合は、TOF = (2* 距離) / (媒質中の音速) という式を使用して液面を計算できます。

  2. 液体の識別/濃度
    このセンシング・タイプでは、センシング構成の距離、媒質中の音速、媒質内の混合比または変化のパーセンテージを選択します。車載用のリファレンスに対応するチェックボックスをオンにして、車載用グレードのリファレンスを表示することもできます。

    このアプリケーションの目的は、タンクの中にある液体の種類、タンク内の濃度、またはタンク内の液体に対して変更が加えられた回数を識別することです。この場合は、超音波センサ(トランスデューサ)を、非侵襲型でタンクの側面に取り付けます。TDC1000 などの超音波 AFE を使用してトランスデューサを励起し、TOF を求めることができます。TOF とタンクの幅(または距離)が得られた場合は、TOF = (2* 距離) / (媒質中の音速) という式を使用して、媒質中の音速を計算できます。媒質中の音速は、媒質の識別や濃度に類似しています。

  3. 水/ガス/熱の流量
    流量計アプリケーションの目標は、パイプ内を流れる水、ガス、または熱の流量を測定することです。このアプリケーションでは、2 個のトランスデューサが必要です。これらのトランスデューサは、非侵襲型で取り付けることができます。
    • 横並びの取り付け(図 2)
    • 45° の相対角度で取り付け(図 3)

    その後、トランスデューサの間隔、コンテナの直径、媒質中の音速、最小と最大の流量、流量の誤差を選択できます。

図 3 - 45 度の相対角度を設けたセンサの配置

図 3. 45 度の相対角度を設けたセンサ配置の構成。


超音波 AFE は複数のトランスデューサを励起し、それらのトランスデューサから反射されたエコーを処理する必要があります。トランスデューサ 1 は流れと同じ方向に進む場合の TOF を測定し、トランスデューサ 2 は流れと逆の方向に進む場合の TOF を測定します。AFE はトランスデューサ 1 を励起し、トランスデューサ 1 は液体(水/ガス/熱)に向かって超音波を放射します。その後、トランスデューサ 2 は超音波を受信します。この時間を t12 と呼びます。今度は、AFE はトランスデューサ 2 を励起し、トランスデューサ 2 は液体(水/ガス/熱)に向かって超音波を放射します。その後、トランスデューサ 1 は超音波を受信します。この時間を t21 と呼びます。TOF の差分は、パイプ内の流量に類似した値になります。


ステップ 3:結果と推奨の表示

図 4 に示すビューでは、流量構成の例に関する結果パネルが表示されています。各結果パネルには、次の項目が表示されます。

  • 計算された TOF または TOF の差分(ΔTOF)、および精度
  • TOF または ΔTOF の計算に使用した式と、精度の計算に使用した式
  • 構成に対して推奨される評価モジュール
  • アプリケーションに適した TI Design
  • システムでの使用が推奨されるセンサ
  • 推奨技術資料

図 4 - 45 度の相対角度で流量を測定する構成に関する結果パネル

図 4. 45 度の相対角度で流量を測定する構成に関する結果パネル


WEBENCH 超音波トランスデューサ・セレクタ・ツールを使用すると、容易に計算を実行し、システムに適した評価モジュールとセンサを探すことができます。TI の TDC を選択すると、包括的な超音波センシング・ソリューションとともに、推奨センサ、リファレンス・デザイン、技術資料が表示されます。



主なパラメータと単位の用語解説:

AFE:アナログ・フロント・エンド

EVM:評価モジュール

TDC:時間/デジタル・コンバータ(Time to Digital Converter)

TOF:タイム・オブ・フライト、つまり START パルスと最大 5 つの STOP パルスの間の経過時間