WEBENCH® Filter Designer

アクティブ・フィルタを迅速に設計

アクティブ・フィルタは今日の電子機器に不可欠です。すべてのデータ・アクイジション・システムにおいて、A/D コンバータ前段のアンチエイリアス・フィルタとして、または D/A コンバータ後段のアンチイメージング・フィルタとして、帯域幅を制限した信号を得るため、アクティブ・フィルタが必要とされるからです。計測機器では、正確な信号測定のためにアクティブ・フィルタが使用されます。1Hz 未満から 10MHz の範囲のカットオフ周波数の場合には、部品仕様値やサイズが大きくなりすぎ、パッシブ・フィルタが使えないために、アクティブ・フィルタが使用されます。その設計や検証には手間と時間がかかります。

WEBENCH&reg Filter Designer は、包括的な複数段アクティブ・フィルタ・ソリューションの迅速な設計、最適化、シミュレーションを可能にします。TI のオペアンプや、TI のベンダ・パートナーが提供する受動部品を使用し、最適なフィルタ設計を行うため、ぜひ、WEBENCH Filter Designer をご利用ください。

選択:Lowpass(ローパス)、Highpass(ハイパス)、Bandpass(バンドパス)、Bandstop(バンドストップ)の各フィルタ・タイプから選択できます。減衰、グループ遅延、ステップ応答に対する性能制約を指定できます。チェビシェフ、バターワース、ベッセル、6dB のトランジッショナル・ガウシアン、12dB のトランジッショナル・ガウシアン、リニア位相 0.05°、リニア位相 0.005° などのさまざまなフィルタ応答から選択できます。次に、パルス応答、セトリングタイム、最小コスト、パスバンド・リップル、ストップバンド減衰の最適化により、設計に最適なフィルタ応答を決定します。

設計:サレンキー、複数フィードバック、ベインターの各トポロジーを使用してフィルタを設計できます。ゲイン帯域幅、電流、コストなどのパラメータを評価することで、設計に最適なオペアンプを選択できます。抵抗/コンデンサの許容誤差として、理想的、0.1%、1%、2%、5% いずれかの値を指定できます。ユーザー定義のコンデンサのシード値を使用して実験を実行できます。高感度、最小コスト、最小フットプリントのため、フィルタ・トポロジーを最適化します。

分析:閉ループ周波数応答、ステップ応答、正弦波応答の分析オプションを使用し、 SPICE 電気特性シミュレーションを実行することで、設計を分析できます。

WEBENCH® Designer

FilterPro

FilterPro は、TI が提供するオフライン形式のアクティブ・フィルタ設計プログラムです。このプログラムは、新規設計には推奨されていません(NRND、Not Recommended for New Designs)。

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利用の手順:

WEBENCH Filter Designer にアクセス

WEBENCH Filter Designer にアクセスするには、「Filters」(フィルタ)タブをクリックし、希望のフィルタ・タイプのいずれか(「Lowpass」(ローパス)、「Highpass」(ハイパス)、「Bandpass」(バンドパス)、または「Bandstop」(バンドストップ))をクリックしてから、「Start Filter Design」(フィルタ設計の開始)をクリックします。

フィルタ要件を指定

Welcome to WEBENCH Filter Designer(WEBENCH Filter Designer にようこそ)。「Filter Designer Requirements」(Filter Designer の要件)ページは、最初に表示される画面です。右の図をご覧になり、以下のテキストを参照してください。

  1. 希望のフィルタ応答の選択:「Lowpass」(ローパス)、「Highpass」(ハイパス)、「Bandpass」(バンドパス)、または「Bandstop」(バンドストップ)
  2. 設計の要件に合わせて入力スタイルを調整するために、「Search Filter」(フィルタの検索)または「Specify Filter」(フィルタの指定)を選択します。「Search Filter」(フィルタの検索)を選択した場合は、要件を満たすためのフィルタの近似方法が推奨されます。「Specify Filter」(フィルタの指定)を選択した場合は、フィルタの次数と近似タイプ(たとえば、「2nd order」(2 次)、「Butterworth filter」(バターワース・フィルタ))を指定できます。
  3. 希望の周波数とゲイン・パラメータを入力します。設計で使用する電源電圧を、必ず下部に入力してください。
  4. 「Simple」(シンプル)または「Advanced」(詳細)モードでフィルタ設計プロセスを開始できます。「Advanced View」(詳細表示)チェックボックスをオフにして「Simple」(シンプル)モードを選択した場合は、簡略化ビューが生成され、ソリューション・テーブルと関連する複数のグラフのみが表示されます。「Advanced View」(詳細表示)チェックボックスをオンにして「Advanced」(詳細)モードを選択した場合は、ソリューション・テーブルと関連する複数のグラフ、さらに「WEBENCH Optimizer」(WEBENCH オプティマイザ)ウィンドウと「Advanced Charting」(詳細グラフ作成)ウィンドウが表示されます。
  5. モードを選択した後、「Start Filter Design」(フィルタ設計の開始)をクリックすると、「Filter Designer Visualizer」(Filter Designer ビジュアル化)ページに進みます。

Filter Designer Visualizer を使用したフィルタ応答ソリューションの表示と最適化

Filter Designer Visualizer(「Simple」(シンプル)モードを使用)

下部にはソリューションの表が表示されます。このページの上部に、各ソリューションに対する理想的なゲイン、位相、グループ遅延、ステップ応答が表示されます。これらの曲線にカーソルを重ねると、近似タイプ、次数、x 軸と y 軸の値が表示されます。小さい値から大きい値へカーソルをドラッグすると、これらのグラフでズーム機能が有効になります。

ページの下部には、「Select」(選択)、「Filter Response」(フィルタ応答)(または「approximation」(近似)、「Color」(カラー)、「Order」(次数)、「No. of stages」(段数)、「Max Q」(最大 Q)、「Abs」(絶対値)の各列が表示されます。ここで、各列の説明を示します。

  • 「Select」(選択)(緑のボタン)を使用すると、選択したフィルタに関する次のページが表示されます。
  • 「Filter Response」(フィルタ応答)には、前のページで入力した条件を満たす近似タイプが表示されます。
  • 「Color」(カラー)は、ページの上部にあるグラフに関連しています。
  • 「Order」(次数)は、設計内で使用されているフィルタに存在する極の数とゼロの数に関連しています。たとえば、2 次フィルタでは次のようになります。

    フィルタ・タイプ 次数 極の数 ゼロの数
    Lowpass(ローパス) 2 2 0
    Highpass(ハイパス) 2 0 2
    Bandpass(バンドパス) 2 1 1
    Bandstop(バンドストップ) 2 1 1

    ローパスとハイパスの各フィルタで利用できる次数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 です。

    バンドパスとバンドストップの各フィルタで利用できる次数は、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20 です。

  • 「No. of stages」(段数)は、設計で使用するフィルタ内にある段の数を表します。
  • 「Max Q」(最大の Q)は、フィルタ全体の Q、つまり選択度(quality factor)を示します。これは、1/(2*減衰係数) に等しい値です。最大 Q が 0.5 未満の場合は、システムは過剰減衰になっています。Q が 0.5 に等しい場合は、システムは臨界減衰になります。最大 Q が 0.5 超過の場合は、システムは減衰不足になっています。アクティブ・フィルタの選択度の詳細については、TI のブログ、Is your op amp filter ringing? Look at Q!(英語)を参照してください。
  • 「Abs」(絶対値)は、fs(ストップバンド周波数)におけるストップバンド減衰です。

作成しようとするフィルタを見つけた場合、緑の「Select」(選択)ボタンをクリックすると、「Schematic」(回路図)ページが表示されます。

Filter Designer Visualizer(「Advanced」(詳細)モードを使用)

最適なフィルタ設計を探せるよう 6 個のサブウィンドウが用意されています。下部にある 3 個のサブウィンドウを最初に調べてみます。

ソリューションの表には、「Simple」(シンプル)モードと同じ列があります。ソリューションの表に関する説明は、上記のセクションを参照してください。

グラフも、「Simple」(シンプル)モードで説明したのと同じグラフが表示されます。ゲイン、位相、グループ遅延、ステップ応答です。「Simple」(シンプル)モードと同様、「Advanced」(詳細)モードでも、曲線を拡大表示し、より詳細に調整を行うことができます。

「Advanced Charting」(バブル・チャート)を使用すると、ソリューションの表に掲載されているアクティブ・フィルタをグラフィック表示できます。x 軸、y 軸、バブル・サイズは、ソリューションの表に掲載されている各列の仕様を表しています。たとえば、上の図では、次のような割り当てが行われています。

  • x 軸 - Abs(絶対値)
  • y 軸 – Max Q(最大 Q)
  • バブルのサイズ - Filter order(フィルタ次数)

今度は、上部にある各サブウィンドウについてご説明します。

「Optimizer knob」(オプティマイザ・ダイヤル)を使用し、フィルタの特性に基づいて複数のフィルタを並べ替えることができます。設計のニーズに応じて、ソリューション・テーブル中のフィルタの順序のリソーティングを行うことができます。リソーティングに使える特性は、以下のとおりです。

  1. 「Best Pulse Response」を選択すると、グループ遅延が最小である設計が優先され、一般的に過渡に対する最善の忠実度が実現されます。
  2. 「Lowest Settling Time」(最小セトリングタイム)を選択すると、セトリングタイムを最小化する設計が上位に表示されます。多くの場合、これらの設計ではグループ遅延も最小になっています。
  3. 「Lowest Cost」(最小コスト)を選択すると、最小コストのアンプと最小次数のフィルタが上位に表示されます。このアルゴリズムは、部品点数が最小の設計を優先します。
  4. 「Lowest Pass-band Ripple」(最小のパスバンド・リップル)を選択すると、パスバンドの応答が最大限フラットな設計が優先されます。
  5. 「Best Stop-band Attenuation」(ストップバンドの最善の減衰)を選択すると、ストップバンド周波数での減衰が最大になる設計が上位に表示されます。

上部中央にある「Change Inputs」(変更入力)フィールドに値を入力して元の制約を変更し、「Recalculate」(再計算)をクリックすると、変更の結果をすぐに確認できます。

「Additional Specs (Optional)」(追加の仕様(オプション))ボタンをクリックすると、パラメータを制御し、グループ遅延とステップ応答に制限を設けることができるページが表示されます。制限を入力すれば、ソリューションの表内にある理想的なフィルタの計算結果が、仕様の範囲内に収まっているかを判定できます。

ソリューションの表にあるとおり、「Group Delay」(グループ遅延)が緑色で表示されている場合は合格、赤色の場合は不合格を意味します。

「Refine Results」(結果の詳細設定)スライダを使用すると、別の方法でフィルタを並べ替えることができます。スライダをクリックして動かし、フィルタ応答の選択内容を絞り込みます。

フィルタを見つけた後、緑の[Select](選択)ボタンをクリックすると、回路図を示す「Design Summary」(設計サマリ)ページが表示されます。

Design Summary(設計サマリ)

ここまででフィルタ応答を選択しました。実際のアンプ、抵抗、コンデンサを含め、回路全体を表示できます。

「Schematic」(回路図)ウィンドウは、2 つのセクションで構成されています。設計で複数段の使用も可能です。ここでは 2 つの段が表示されています。

画面の中央部分には、単一段の特性を示す 3 つのセクションがあります。ゲインとフィルタのトポロジーを更新できるセクション、回路図、部品表(BOM)です。

ページの上部には、段のトポロジー、ゲイン、カットオフ周波数、Q、アンプの最小必要帯域幅など、個別の段に関する情報が表示されています。個別の各段に関するゲインとトポロジーを変更するオプションが利用できます。

このページの左側には、トポロジーの仕様、設計サマリ、設計を他のユーザーと共有するためのオプションがあります。

トポロジーの仕様エリアでは、アンプ、トポロジー、コンデンサのシードと許容誤差を変更できます。

「Select Alternate」(代替品の選択)を選択すると、アンプを変更できます。

「Filter Topology」(フィルタのトポロジー)セクションで、フィルタ・システムのトポロジー、コンデンサのシード値、抵抗の許容誤差、コンデンサの許容誤差を調整できます。

このエリアで変更を加えた場合は、それらの変更を有効にするために、必ず緑色の「Update」(更新)ボタンをクリックしてください。

Filter Designer のシミュレーション

このページの上部で、以下の作業を実行できます。

  • 「Sim」(シミュレーション)を使用すると、シミュレーション・ページが表示されます。
  • 「Sim Export」(シミュレーションのエクスポート)を使用すると、回路を TINA-TI シミュレータにエクスポートできます
  • 「Print」(印刷)を使用すると、設計レポートを掲載した PDF ファイルを生成できます

「Sim」(シミュレーション)をクリックすると、シミュレーションページに移行します。

このページの右側中央には、回路図全体が表示されます。左側中央には、シミュレーション結果が表示されます。上部右寄りで利用できるシミュレーション・オプションは、「Closed Loop Response」(閉ループ応答)、「Sine Wave」(正弦波)、「Step Response」(ステップ応答)です。入力または出力部品をクリックし、スティミュラスを変更します。「Start New Simulation」(新しいシミュレーションの開始)をクリックし、シミュレーションを実行します。

画面右のシミュレーション結果を確認します。

電気特性シミュレーションの確認

ページ上部の「Print」(印刷)アイコンをクリックすると、Electrical Simulation Report(電気特性シミュレーション・レポート)を入手できます。このレポートには、フィルタの回路図、BOM(部品表)、グラフ形式のシミュレーション結果、設計入力の一覧が掲載されています。

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