開発ツールをご購入のお客様へ お願い

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エミュレータ/アナライザ

IEEE 1149.1(JTAG)エミュレーションの概要

TI は、JTAG スキャン・ベースのエミュレーションを開発しました。その後、この方式は組込みシステム開発に広く利用されています。現在では、より高価な「インサーキット・エミュレーション(ICE)」テクノロジーよりも幅広く受け入れられています。ICEでは、対象プロセッサを異なるデバイスに置き換え、元のデバイスのように動作または(「エミュレート」)させますが、このデバイスはバスのようなデバイスの内部構造の情報が見えるようにピンが追加されています。ただし、対応する高速プロセッサのコストは 200 MHz を超えると大幅に価格が上昇するため、ICEの使用は限定されてしまいます。

TI の XDS エミュレータで使用している JTAG エミュレーション・テクノロジーでは、プロセッサと直接通信することで特別なエミュレーション・デバイスが不要となるので、デバッグ・コストの問題や難問を解決できます。JTAG では、動作中のデバイスの実行に割り込まずに、デバイスにデータを書き込み、または読み出すことができます。TI は、エミュレーション・ロジックを追加することで、レジスタやオンチップ・キャッシュ・メモリなどの他の内部機能にアクセスできるようになり、より多くの情報を得られるのとともに、アクセス性も向上しました。JTAG エミュレーションは、貴重なプロセッサ・リソースを必要としないため、モニタ・ベースのソリューションよりも幅広く使用されています。

また、JTAG はバウンダリ・スキャンの接続にも使用されます。バウンダリ・スキャンは、製造工程での製品の品質を確保するうえで重要です。バウンダリ・スキャンは、オープン回路やショート回路など、ピンレベルの構造異常を検出して診断できる、ボード・レベルやシステム・レベルのテストを実施するために使用できます。

IEEE 1149.7 の概要

IEEE 1149.7 は、20 年以上にわたって広く採用されてきた IEEE 1149.1(JTAG)規格を補完するスーパーセットです。IEEE 1149.7 では、多数の機能が既存の規格に追加されているので、IEEE 1149.1 に置き換わるものではありません。しかし下位互換性があるため、どちらかの規格に対応するチップを搭載しているボードやシステムは、テストまたはデバックを実行することができます。

新しい IEEE 1149.7 規格は、さまざまな利点を設計者に提供します。
  • 業界標準の方法でデバッグ・ロジックの消費電力を制御する機能。IEEE 1149.1(JTAG)では、「常時オン」状態しか存在しませんでしたが、IEEE 1149.7 では、超低消費電力デバイスを実現する、4 つの電力モードを選択できます。
  • 複数のデバイスを備えたシステム内で、特定のデバイスに迅速にアクセスする機能。システム・レベルでのバイパスを実装することにより、スキャン・チェーンが大幅に短くなり、デバッグ作業が改善されます。
  • 標準のシリアル・トポロジを補完するスター型トポロジの導入。スタック・ダイ・デバイス、マルチ・チップ・モジュール、およびプラグイン・カードを使用している設計者は、物理的なデバイス間接続を簡略化できるスター型トポロジーの使用が有効です。
  • IEEE 1149.1 で要求される 4 ピン動作ではなく、2 ピン動作。ほとんどの現在のシステムでは、複数の IC が統合されており、サイズに関する制約が厳しいため、ピンとトレースの数を削減することにより、設計者はフォーム・ファクタに関する目標を達成することができ、追加の機能ピンや低パッケージ・コストのいずれか、または両方を実現できます。
  • 既存の IEEE 1149.1(JTAG)準拠の IP との互換性があるため、今までの投資を有効利用できます。
アドバンス・イベント・トリガ

アドバンス・イベント・トリガは、デバイス一部ともいえる、重要な TI エミュレーション機能です。アドバンス・イベント・トリガは、ターゲット・プロセッサのイベントの組み合わせを検知し、CPU の停止など、指定された動作を実行します。

アドバンス・イベント・トリガでは次のような作業が可能です。
  • ハードウェア・ブレークポイントやウォッチポイント(メモリに対するデータの読み書き)など、最も頻繁に必要となるデバッグ・タスクの実行が可能。
  • イベント・カウンタを使用してシステム性能の解析やベンチマークをとることが可能。
  • 複雑に組み合わされた一連のイベントでの検出により、非常に見つけにくいバグを修正可能。
トレース

これまで「発見不可能」であった複雑なリアルタイム・バグを検出するのに役立つプロセッサ・トレースを選択したデバイスに対して使用できます。トレースを使用することにより、プロセッサを停止せずに、複数イベント間の競合、断続的に発生するリアルタイム誤動作、スタック・オーバーフローによるクラッシュ、プログラムの暴走、不正な割り込みなどの非常に見つけにくいバグを検出します。トレース機能は、DSP に内蔵されているデバッグ・ユニットに依存し、コードの実行にまったく影響を与えないデバッグ手法です。したがって、アプリケーションのリアルタイム動作への干渉や変更がありません。

トレース機能を使用すると、複雑なデータ・スイッチの集中、マルチチャネル・アプリケーションのコード・パフォーマンスを正確にチューニングし、キャッシュを最適化できます。プロセッサ・トレースは、プログラム、データ、タイミング、選択したプロセッサ、およびシステム・イベント/割り込みのエクスポートが可能です。プロセッサ・トレースは、外部エミュレータ、または選択したデバイス上の、エンベデッド・トレース・バッファ(ETB)のいずれかにエクスポートされます。

TI デバイスのサポート

TI では、マイクロコントローラからアプリケーション・プロセッサまで、すべての TI 製品をサポートし、リアルタイム JTAG スキャン・ベースのエミュレーションをサポートする XDS クラス・エミュレータを提供しています。

これらのエミュレータは、TI のリアルタイム・エミュレーション制御や可視化の機能をすべて実現する、Code Composer Studio IDE [CCS 概要へのリンク] に統合されています。

TI のデベロッパー・ネットワークからは、ロジック・アナライザ、ハードウェア・テスト機器、および USB やイーサネットなど、各種のホスト I/O インターフェイスをサポートする幅広いエミュレータが提供されています。

その他のリソース