高品質な音声、ビデオ、データに対する消費者需要の高まりは、効率的なネットワーク帯域幅利用ニーズの新戦略に対する原動力となっています。消費者が望んでいるのは、さらに高速なダウンロード・スピードでリアルタイム HD ビデオ/音声を楽しめる、堅牢で信頼性の高いネットワーク・インフラストラクチャです。そのため、マルチプル・システム・オペレータ(MSO)は、既存のケーブル・インフラストラクチャをより一層活用できる方法を模索しています。ケーブル・インフラストラクチャ機器の設計者は、ケーブル・モデム・ターミネーション・システム(CMTS)、セット・トップ・ボックス(STB)、およびケーブル・モデムに、インテリジェンスを追加しています。その機能は、加入者からリクエストされている特定のコンテンツを判別し、そのときどきの加入者のニーズに合わせて帯域幅を割り当てるといったものです。このようなインテリジェンスを DOCSIS 3.0 などの新しいネットワーキング・プロトコルと組み合わせると、帯域幅の制限がなくなり、より多くの加入者により高いサービス品質(Quality of Service: QoS)を提供できるようになります。
ケーブル・モデム・ターミネーション・システムは、複雑な電子装置の集合体です。ネットワーク・ファイバーから受け取ったデータを解凍し、RF 信号を変調するための処理およびエンコーディングを行います。処理された RF 信号は、従来のケーブル回線を経由して、変調されたコンテンツを加入者のケーブル・モデムに送ります。ケーブル・モデムは、セット・トップ・ボックスやインターネット・ルータのようなネットワーク・デバイスが使用できるようにデータを復調します。DOCSIS 3.0 などのプロトコルで定義されたケーブル回線経由でのデータ伝送を使用することで、ネットワーク設計者に IP バージョン 6 との互換性と RF チャネルのボンディング機能が提供され、最大 160Mbps のダウンストリーム・データ速度が得られます。
TI が提供するアナログおよび組込みプロセッシングの豊富なポートフォリオにより、複数ストリームの HD ビデオ/音声情報を処理するために必要な高データ・レートが扱えるようになります。マルチコア DSP と DaVinci SoC を使用して複数のビデオ・ストリームのデコード、プロセシング、エンコーディングを効率的に分割し、MPEG2 や H.264 といったコーデックをサポートします。TI の同期整流、スイッチング・コントローラと高速の NexFET を併用すると、消費電力を抑え、CMTS の放熱特性を向上した高効率のパワー・ソリューションが実現します。高速のインターフェイス・オプションは、高い柔軟性と優れた信号品質で、ボードとバックプレーンへデータを伝送します。