超音波スキャナ

超音波診断システムの設計リソースとブロック図

設計上の考慮事項

医療用、産業用共に超音波システムではフォーカル・イメージング手法を使用し、シングル・チャネル・アプローチで達成できる性能をはるかに上回るイメージング性能を実現します。レシーバ・アレイを使用し、タイムシフト、スケーリング、エコー・エネルギーのインテリジェントな統合を行う方法で、HD(High Definition)イメージを構築できます。タイムシフトおよびスケーリングという概念は、トランスデューサ・アレイから信号を受信することをベースとし、スキャン領域にある単一の点に「焦点を合わせる」機能を実現します。他の点に順次焦点を合わせる方法で、イメージを形成します。

スキャンを開始するときにパルスを生成し、8 個~ 512 個のトランスデューサ素子のそれぞれからパルスを送信します。人体の特定の領域を「照射」するために、パルスはタイミング制御およびスケーリングされます。送信を行った直後に、トランスデューサは受信モードに切り替わります。次に、パルスは力学的エネルギーという形態に変化し、高周波の音波として人体の中で伝播されますが、通常、周波数範囲は 1MHz ~ 15MHz です。信号はすぐに弱まり、伝播距離の 2 乗に比例して減衰します。信号が伝播される過程で、波面のエネルギーの一部が反射されます。この反射を、受信用電子装置はエコーとして検出します。直後に反射された信号、つまり体表に非常に近い地点からの反射は非常に強く、パルス送信から長い時間が経過した後、つまり人体の奥からの反射は非常に弱いものです。

人体に印加できるエネルギーの量には制限があるので、業界では非常に感度の高い受信用電子装置を開発してきました。体表に近い焦点からのエコーを受信する場合、増幅が必要であるとしてもわずかな増幅で十分です。この領域をニア・フィールドと呼びます。一方、人体の奥の焦点からのエコーを受信する場合、エコーは非常に弱く、1,000 以上の係数で増幅する必要があります。この領域をファー・フィールドと呼びます。高ゲイン(ファー・フィールド)モードでは、受信チェーン内に存在するすべてのノイズ・ソースの合計が性能の限界になります。受信ノイズの最大の原因となる 2 つの要因は、トランスデューサ/ケーブル・アセンブリと、受信用低ノイズ・アンプ(LNA)です。低ゲイン(ニア・フィールド)モードでは、入力信号の振幅によって性能の限界が定義されます。これら 2 つの信号の比によって、システムのダイナミック・レンジが定義されます。多くの受信チェーンは、LNA に可変ゲイン・アンプを統合しています。

VCA と ADC の間で、アンチエイリアシング・フィルタの役割を果たし、ノイズ帯域を制限する目的で、ローパス・フィルタリングを実施する必要があります。多くの場合、ここで 2 極 ~ 5 極のフィルタと、リニア位相トポロジを使用します。使用するオペアンプに関する主要な検討事項は、信号のスイング、最小と最大の入力周波数、高調波歪、およびゲインです。AD コンバータ(ADC)は通常、10 ビット~ 12 ビットです。SNR と消費電力は重要な事項であり、次にチャネル数となります。ADC のもう 1 つのトレンドは、ADC とビーム形成の間に LVDS インターフェイスを実装することです。ADC から出力されたデータをシリアライズすることにより、512 チャネル・システムの場合はインターフェイスの線数を 6,144 から 1,024 に減らすことができます。この削減は、PC 基板の小型化と低コスト化をもたらします。

ドップラー処理、2D、3D、さらに 4D のイメージングを実行するイメージング・システムや、機能と性能を高めることを目的とした後処理アルゴリズムのホストでは、DSP を使用します。イメージング・システムの主要な要件は、高性能と広帯域です。1GHz 以上で動作する DSP は、超音波の大量の処理というニーズに対処でき、SerialRapidIO ペリフェラルは 10Gbps の全二重帯域幅を提供します。

一部の超音波システムでは、広いダイナミック・レンジが必要とされること、または複数のサイクルを必要とする機能を実装することがあります。これらの機能の例として、スペクトル縮小や、平方根計算を挙げることができます。超音波ソリューションでオペレーティング・システムが必要な場合、TMS320DM6446 がこのニーズを満たすことができます。DM6446 は、強力なコアとビデオ・アクセラレータを内蔵しているほか、OS の要件に対応できる ARM9™ コアも採用しています。信号のアセンブリ(生成)は、デジタル・ビーム形成によって実施されます。これには通常、カスタム設計 ASIC を使用しますが、この機能はさまざまな形態のプログラマブル・ロジックという形でも実装されてきました。ビーム形成の中では、デジタル化信号にスケーリングおよび時間遅延が加えられ、受信チェーンの中で焦点効果を実現します。その後、適切に調整された信号がすべての受信チャネルにわたって互いに統合され、イメージング・システムに渡されます。イメージング・システムは単体の ASIC として開発することもできますが、DSP のようなプログラマブル・プロセッサを使用することもできます。

送信用素子は、100V ~ 200V の信号スイングを制御する必要があります。ほとんどの場合、高電圧 FET を使用して実装します。FET の制御は、オン/オフ(プッシュプル)または Class-AB リニア制御という 2 つの形態のいずれかで実施します。最も一般的なのは、プッシュプル・アプローチです。FET に対する簡単なインターフェイスと、コスト削減が要求されているからです。Class-AB アプローチを使用すると高調波歪を大幅に改善できますが、より複雑なドライバが必要になり、より多くの電力を消費します。システム・メーカーと機器メーカーは超音波イメージング・アプリケーションに関して、幅広く展開されている TI の製品を選択できますが、その中にはオペアンプ、シングル/デュアル/オクタル ADC(いずれも入力過負荷の高速回復と優れた動的特性を達成)、デジタル・シグナル・プロセッサ、統合型の 8 チャネル低消費電力超音波フロントエンド IC である VCA8617 が含まれます。また、ADS5270 も提供されていますが、これは高性能な 8 チャネル、12 ビットのデータ・コンバータであり、シリアル LVDS インターフェイスを採用しています。

推奨リソース

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アプリケーション・ノート

アプリケーション・ノート (6)

タイトル 概要 種類 サイズ (KB) 日付 表示回数 英語版
PDF 488 KB 2017年 4月 26日 53
HTM 8 KB 2016年 12月 2日 767
HTM 9 KB 2010年 6月 8日 196
HTM 8 KB 2009年 4月 3日 222
HTM 8 KB 2008年 12月 18日 318
HTM 9 KB 2008年 11月 7日 145

セレクション/ソリューション・ガイド

セレクション・ガイド (5)

タイトル 概要 種類 サイズ (KB) 日付 表示回数 英語版
PDF 9.09 MB 2013年 5月 2日 3153
PDF 3.34 MB 2013年 5月 2日 2449
PDF 3 MB 2013年 4月 10日 2449
PDF 2.38 MB 2010年 6月 8日 779
PDF 1.47 MB 2007年 10月 17日 0 最新の英語版をダウンロード (Rev.H)

ツール/ソフトウェア

名称 型番 会社名 ソフトウェア/ツール・タイプ
AFE5808A Evaluation Module AFE5808AEVM Texas Instruments 評価モジュールと評価ボード
AFE5818 評価モジュール AFE5818EVM Texas Instruments 評価モジュールと評価ボード
AFE58JD18 評価モジュール AFE58JD18EVM Texas Instruments 評価モジュールと評価ボード

製品カタログ/ホワイト・ペーパー

製品カタログ (1)

タイトル 概要 種類 サイズ (MB) 日付 表示回数 英語版
PDF 515 KB 2012年 11月 9日 336

ホワイト・ペーパー (8)

タイトル 概要 種類 サイズ (MB) 日付 表示回数 英語版
HTM 9 KB 2011年 3月 16日 84
PDF 793 KB 2011年 3月 16日 189
PDF 1.69 MB 2011年 3月 6日 190
PDF 333 KB 2010年 6月 8日 345
PDF 358 KB 2009年 3月 18日 46
HTM 9 KB 2008年 11月 11日 271
PDF 115 KB 2008年 11月 3日 883
PDF 187 KB 2008年 10月 31日 305

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