C2000 32 ビット・ハイスピードマイコン
ソフトウェア・コンセプト | DMC システム | システムの考慮事項 | デバイスの特長
1996 年に TMS320F24x の世代が導入されて以来、C2000 プラットフォームはハイスピードマイコンとして業界をリードしてきました。2002 年には C28x DSP エンジンをベースとした F281x シリーズが発表され、高性能な演算集中型電源制御に特化して開発された初の 32 ビット・アーキテクチャとなりました。また、C28x をベースとしてコード互換性のあるデバイス・ファミリを製作することで、性能、価格、ピン配置、ペリフェラルに関するアプリケーションのニーズを満たしてきました。
C2000 マイコン は、AC サーボ・ドライブ、高精度モーター制御、電動パワー・ステアリング、HVAC コンプレッサおよびブロワ、産業用ポンプ、洗濯機や冷蔵庫のコンプレッサといった家電など、各種の三相モーター・アプリケーションで使用されています。
C2000 を導入することで得られる利点:
- センサレス動作およびフィールド・オリエンテッド・コントロール(FOC)用途で高精度の計算を実行する、クラス最高の能力
- 基本的なソフトウェア・ルーチンで構成されたモーター制御ライブラリと、関連する理論、技術資料、およびシステム・サンプル
- 高速、高精度のオンチップ AD コンバータと、さらに高速または高精度な外部 ADC の容易なサポートが可能
- 豊富な機能の PWM ジェネレータと異常検出機能により、あらゆるシステム電源トポロジに対応
- グラフィカルなシミュレーション、システム開発、およびコード自動生成ツールがパートナーから入手可能
モーター制御用の C2000 ソフトウェア・コンセプト
- 最高の精度と最高の数値精度
- 再利用とカスタマイズが非常に容易な、モジュール形式のライブラリ(C ソース)
- 固定小数点に伴うスケーリングとサチュレーションによる負担を排除
- カスタム・モーター用のチューニングが非常に容易
- 理論、ソフトウェア、システム、部品表(BOM)、回路図の各資料を用意
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- モーター制御用の基本的なソフトウェア・ブロックで構成されたライブラリ(ソース・コードも提供)
- 変換およびエスティメータ: Clarke、Parke、スライディング・モード・オブザーバ(SMObserver)、相電圧カリキュレータ、磁束と速度に関するカリキュレータとエスティメータ、レゾルバ・カリキュレータ
- 制御: シグナル生成、PID、BEMF 整流、空間ベクトル・ジェネレータ
- ペリフェラル・ドライバ: 各種モードおよびトポロジ用途 - ADC、PWM、エンコーダ、センサ・キャプチャ
- モジュール構造(変数入力と変数出力に対応したマクロ)
- 初期化時にすべての変数が定義され、あるブロックの出力が次のブロックへの入力として設定される
- 実行時に、構造体またはマクロ関数が呼び出される
- 各モジュールについて、数学と DMC に関する理論など、技術資料一式を提供
DMC システム: 各ブロックを増分形式で接続
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TI では、DMC ライブラリ・モジュールを使用して、総合的なモーター制御システムのサンプルを作成しています。このようなシステム・サンプルは、各種モーター・タイプ、制御方式、フィードバック方式を対象にして作成されたもので、多くの場合、電気的に絶縁されたハードウェア・プラットフォームを検証用に使用しています。
このようなシステムの最も重要な特長は、どのシステムも増分ビルド・アプローチを使用していることであり、コードの増分セクションをビルドすることで、開発者はアプリケーションの各セクションを 1 ステップずつ検証することができます。たとえば、上記のセンサレス PMSM(永久磁石同期モーター)FOC のサンプルでは、次の増分ビルドを使用してソフトウェアを構築しました。
- ビルド・レベル 1: ダミー信号を使用し、逆 Park、空間ベクトル生成、および三相 PWM ドライバによる正しい PWM 波形の生成を検証する
- ビルド・レベル 2: パワー・ステージを接続し、ADC 変換、相電圧の計算、Clarke 変換および Park 変換を検証する
- ビルド・レベル 3: 閉ループ PID 電流制御の検証
- ビルド・レベル 4: スライディング・モード・オブザーバと速度推定の検証
- ビルド・レベル 5: 閉ループ PID 速度制御
どのシステムにも、正常に動作するソフトウェア一式、ステップバイステップのユーザーズ・ガイド、豊富な技術資料、スクリーンショット、およびハードウェア接続器具が付属しています。
以下のホワイト・ペーパーには、高性能な駆動回路の設計、および C2000 ハイスピードマイコンを使用したモーター制御の方法論に関する情報が掲載されています。
デジタル・モーター制御ライブラリ
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DMC システム: Piccolo および Delfino
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DMC システム: 保守製品固定小数点シリーズ
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IQMath: 仮想浮動小数点
IQMath はライブラリおよびコンパイラとして C28x 世代に固有のものであり、2 進表記された数値のうち整数部(I)のビットと、指数部(Q)のビットを選択することで、数値の表現可能範囲を(つまり分解能も)選択できます。また、固定小数点のスケーリングを取り扱う代わりに浮動小数点形式で C の関数を記述することができ、残りの処理はコンパイラが担当します。
- 開発開始、チューニング、およびデバッグの負担が軽減されます。
- 数値の範囲を即座に、グローバルまたはローカルで変更
- 最善の分解能とダイナミック・レンジを実現するためのチューニング
- 量子化効果の排除
- スケーリングとサチュレーションの負担を排除
- シミュレーション・ツールおよびコード生成ツールとのより優れた統合
- 固定小数点プロセッサと浮動小数点プロセッサの間を移行できるように単一のソースを設定
- 新しいシステムでの再利用と再チューニングが容易
リアルタイム・デバッグ
- ソフトウェア・デバッグ・モニタを使用するのではなく、シリコンに実装
- CPU サイクルの消費が不要
- RTDX が常に使用可能、ユーザーの入力に対するリアルタイム・デバッグ
- デバッグのために重要でないコードを停止しながら、タイムクリティカルな割り込みルーチンの実行を継続
- プロセッサを停止せずにメモリとレジスタにアクセス可能
システムの考慮事項
最新の Piccolo デバイス・ファミリには、次の目標を意識した最新の手法が組み込まれています。
システム・コストを削減し、システムの信頼性を向上させるために:
- POR/BOR 付のオンチップ電圧監視により、外部の電圧監視が不要になり、すべての PWM ピンで起動時のグリッチを排除する機能を内蔵
- IEC-60730 に対応する 3 層のクロック保護
- 2 個の内蔵オシレータとオプションの外部オシレータ
- 2 個のウォッチドッグとクロック異常検出回路による、バックアップ OSC への自動切り換え
- 両方の内蔵オシレータで異常が発生した場合、デバイスは自動的にリンプ・モードへ移行し、適切にシャットダウンされる
- GPIO には内蔵デジタル・フィルタが装備されており、ノイズを軽減し、外部システムのコストを削減
米国以外のほとんどの国でも、規制機関が大半の白物家電に力率改善(PFC)の内蔵を義務付けていることが確認されており、他の産業にも拡大されることが予測されます。
- 問題
- 三相のインバータとモーターは非線形負荷として作用し、事業者の電力線から高調波の電流を引き出します。このような高調波は、損失と歪みを発生させます。
- ソリューション
- PFC により、引き出される電流の波形が電力線の電圧の波形に追従することだけでなく、負荷や入力条件の変動にかかわりなく、出力 DC 電圧が一定の値に安定化されることも保証されます。
- アナログ対 デジタル PFC:
- PFC のアナログ実装、つまりパッシブ実装はシングル・モードに固定されていて、動作条件の変動に対処する能力は限定されています。
- 一方、アクティブ実装、つまりデジタル制御方式の PFC は、動作条件の変動に対応および適応することができ、より高い精度を達成し、電圧と電流の間のあらゆる位相シフトを排除することで、効率を向上させます。
- デジタル PFC の柔軟性により、開発者はパッシブ実装で実現可能なトポロジより複雑な PFC トポロジを採用することもできます。
- C2000 デバイスには処理能力の余裕があり、TI の中で最小コストである Piccolo MCU を使用する場合でも、高分解能の ADC および PWM と組み合わせて、センサレスの FOC 制御(および 2 軸 FOC)を備えた PFC を実装できます。
- サンプルのハードウェアとソフトウェアは、Piccolo および Delfino のあらゆるソリューションに付属します。
グラフィカルなシミュレーションとコード開発
Mathworks の Embedded Target と Visual Solutions の VisSim は、どちらも C2000 MCU をターゲットとしたグラフィカルなモーター制御開発ツールをサポートしています(既存の DMC ハードウェアとのシームレスなインターフェイスも可能)。これらのツールには、次の特長があります。
- TI DMC ライブラリ、および TI の他のデバイス、算術、ペリフェラル・ライブラリのブロック・サポート
- DMC システム一式のシミュレーション、モデリング、および検証
- 自動チューニングおよび係数検索機能
- コード生成とターゲット展開
- TI の統合開発環境(IDE)およびハードウェア開発ツールとの直接インターフェイス
C2000 デバイスの特長
| |
固定小数点 |
Delfino |
Piccolo |
| C2000 シリーズ |
F281x |
F280x |
F2823x |
F2833x |
C2834x |
F2802x |
F2803x |
| 量産 |
2003 年 |
2005 |
2008 |
2008 |
2009 |
2009 |
2010 |
| C28x CPU |
固定 |
固定 |
固定 |
浮動 |
浮動 |
固定 |
固定 + CLA オプション |
| MHz |
150 |
60 ~100 |
100 ~ 150 |
100 ~ 150 |
200 ~ 300 |
40 ~ 60 |
60 |
| ピン数 |
128 ~ 179 |
100 |
176 ~ 179 |
176 ~ 179 |
176 ~ 256 |
38 ~ 56 |
64 ~ 80 |
| フラッシュ(KB) |
128 ~ 256 |
32 ~ 256 |
128 ~ 512 |
128 ~ 512 |
0 |
16 ~ 64 |
32 ~ 128 |
| RAM(KB) |
36 |
12 ~ 36 |
52 ~ 68 |
52 ~ 68 |
196 ~ 516 |
4 ~ 12 |
12 ~ 20 |
| 参考価格 |
$13 ~ $15 |
$3 ~ $13 |
$13 ~ $14 |
$14 ~ $16 |
$9 ~ $16 |
$1.85 ~ $3 |
$3 ~ $4.50 |
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DSP の性能
(マイコン(MCU)アーキテクチャ内)
- 40 ~ 300MHz の C28x CPU
- 内蔵 DSP 機能
- シングル・サイクルの 32×32 ビット ハードウェア乗算器
- 制御補償器アクセラレータ(CLA)
- 固定小数点/浮動小数点
- 組込みフラッシュ
|
|
包括的なペリフェラル・セット
- クラス最高の ADC 性能
- 柔軟性の高い高分解能 PWM
- 高度なキャプチャ機能、直行エンコーダ・インターフェイス
- CAN、LIN、SPI、I2C、SCI/UART、McBSP
|
リアルタイム・コントロール向けに最適化済み
- 最適化されたコア
- 高速割り込み
- 柔軟性の高い割り込みシステム
- リアルタイム・デバッグ
|
幅広い構成ポートフォリオ
- 40 ~ 300MHz
- 固定小数点と浮動小数点デバイス
- 32 ~ 512KB フラッシュ
- $2 未満から $20
- C2000 ファミリ全体でのソフトウェア互換性
|
モーター制御用の主な特長
C28x CPU
C28x の 32 ビット DSP はデジタル・モーター制御(DMC)用の主要な演算エンジンです。
- 演算集中型のアルゴリズムに対して最高の精度と最高速のスループットを提供します。
- DMC ライブラリ・ベースのセンサレス FOC は最大 12MIPS を達成
- 強化された性能
- Delfino ファミリは単精度の浮動小数点ユニットを採用
- FPU は固定小数点コアを拡張したものであり、コアの DMC アルゴリズムに関して約 50% のサイクル向上を達成
- Piccolo ファミリでは、オプションの制御補償器アクセラレータ(CLA)が提供されています。
- CLA は浮動小数点の並列演算装置であり、ADC と PWM の独立制御が可能
- デジタル電源アプリケーションの超高速、低レイテンシ制御ループ向けに設計
- DMC のコア機能を「ブラックボックス化し、負荷軽減」して CLA に収容できる CLA DMC ライブラリおよびシステム・サンプルをリリースする過程では、C28x CPU の幅広い帯域幅を他のシステム機能で利用可能
A/D コンバータ
各 F28x デバイスの ADC は共通の系統から派生したものですが、連続する各シリーズでは、より正確なリファレンス、より優れた自動キャリブレーション、および DMA サポートにより、常に改善が進められてきました。
- 12 ビット ADC で最大 12.5MSPS のスループット
- 2 個のサンプル・アンド・ホールド回路により同時サンプリングが可能
- シングル・バンクまたはデュアル・バンクのシーケンサ、柔軟性の高い変換開始、および 16 個の結果レジスタ
- 最新の Piccolo ファミリはレシオメトリック動作をサポートし、より柔軟性の高いシーケンサ、調整可能な収集間隔、およびジャスト・イン・タイム機能により、ADC から CPU 割り込みを事前に呼び出し、変換済みのサンプルを CPU から使用できるかどうかを同期することが可能
PWM ジェネレーション
ePWM モジュールでは、業界で最も機能が豊富で柔軟性が高い PWM パターン・ジェネレーション機能が提供されます。
- 各 ePWM モジュールには 1 個の独立したシャドウ化 16 ビット・タイム・ベース(カウント・アップ、カウント・ダウン、またはアップ・ダウン)が用意されており、デューティ・サイクルから独立した 2 個の出力を生成できます。
- オプションで、立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを持つデッドバンド・ジェネレータ、高周波数チョッパ、およびプログラム可能なトリップ・ゾーンも使用可能
- トリップ・ゾーンは MCU のクロックが失われた場合でも動作し、外部ピンを PWM 出力状態、割り込み、ADC の変換開始、PWM 同期信号の任意の組み合わせにマッピングすることが可能。トリップは同期または非同期に設定可能で、オフセット間隔を持ち、サイクル動作モードまたはワンショット・モードで実行できます。
- 独立した複数の ePWM ブロックを共通のタイム・ベースに同期するか、位相から自動的に遅延させることが可能
- 標準的な PWM 分解能はシステム・クロックに結び付けられるのに対し、最高 55ps の分解能という高精度を達成できる高分解能 PWM も存在するため、Piccolo ファミリはデューティ・サイクルと期間の両方に対して高分解能の精度を提供
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