モーター駆動/制御ソリューション

AC 誘導(ACIM)、ブラシ付 DC、ブラシレス DC(BLDC)、永久磁石同期型(PMSM)、ステッピング・モーターなど各種モーターの位置、速度、トルクを正確に制御するために適切なアナログ製品、デジタル製品、ソフトウェア、およびサポートを掲載。

 

モーターソリューション・ガイド

モーターソリューション・ガイド

TI のモーターに関する情報を 16 ページのソリューション・ガイドにまとめました。モーターに関する複雑な問題にお答えします。

Industrial Automation - Motor Control Solutions Guide

産業用オートメーションソリューションガイド

TI のモーター駆動/制御ソリューションでは、適切な製品、ソフトウェア、ツール、およびサポートを用いることで、設計サイクルを短縮できます。

InstaSPIN Inside - BLDC Motors - Motor Control Solutions

InstaSPIN™-BLDC ソリューション



 

モーター制御 - ステッピング・モーター

ステッピング・モーターはモーター・ファミリの初製品であり、1960 年代初頭以来、普及してきました。このようなモーターは当初、費用のかかる位置制御アプリケーションにおいて、サーボ・モーターに置き換わる低コストの代替品と見なされていましたが、ペリフェラル・アプリケーションにおいて、急成長していたコンピュータ業界ですぐに採用されるようになりました。ステッピング・モーターの主な利点は、フィードバックを必要とするコストの高いサーボ・システムの数分の 1 のコストで、開ループの位置制御を実現できる点にあります。これまで、ステッピング・モーターは、直交位相の方形波で駆動される場合が多いため、誤って「デジタル」モーターと呼ばれることもありました。ただし、これらのモーターに関する知識不足から、プロジェクト開発過程の後半において、非常に困難な問題が発生しました。ステッピング・モーターは、他の磁性「アナログ」モーターと同様に、トルクを発生します。ほとんどのステッピング・モーターのダンピング・ファクタは非常に低いため、特定のステップ周波数において、減衰動作や共振に対する感受性が問題となります。このような問題が存在するため、ステッピング・モーターは、他のモーター・トポロジよりも操作するのが困難になります。

ほとんどのステッピング・モーターでは両側に突起のあるデザインが採用され、回転子と固定子の両方の構造に歯が付いています。BLDC モーターまたは PMSM モーターと同様に、永久磁石は回転子側に配置され、電磁石は固定子の中に収容されています。また、ほとんどの設計では、固定子の位相が 2 つ含まれます。これらは、直交位相の信号で個別に駆動されます。これらの位相を駆動する方法は、フル・ステップ、ハーフ・ステップ、マイクロ・ステップなど、使用する制御技法に応じて多数存在します。各状況において、固定子の磁束ベクトルが確立され、回転子に付いた磁石がこのベクトルと整列しようとします。回転子と固定子では歯の数が異なるので、結果として生じる動作またはステップは非常に小さい場合があります。この整列の発生後しばらくすると、固定子の磁束ベクトル角度を進めるように固定子電流の向きが変化するので、回転子は次のステップに移行します。ほとんどのアプリケーションでは、位置に関するフィードバックが存在しないため、回転子の磁束は固定子の磁束と整列することができます。このため、固定子電流の向きはモーターの動作に影響を与えません。この結果、ステッピング・モーターは、普及している他のモーターほど効率は高くありません。

ほとんどのステッピング・モーターのステップ角度は比較的小さいため、高速アプリケーションにとって最適のオプションではありません。一部のアプリケーションでは、各ステップの極性を完全に変化させるために、固定子電流が必要になります。この変化は、固定子コイルに関連のあるインダクタンスによって阻害される傾向があり、電流が新しいレベルに到達するまで時間がかかります。ステップ周波数が高いと、電流はもう一度向きを変えるよう指示を受ける前に、定常状態値に到達できない場合があります。そのため、電流の向きを素早く変化させるには、高速時に位相を駆動する電圧を増加させる必要があります。しかし、最終的には収穫逓減に達し、さらに高速で動作させるのが実用的でなくなります。

前述の通り、ステッパーを設計する場合、本質的にダンピング・ファクタが小さいため、共振の問題に悩まされます。これは、耳に聞こえるノイズとして増大し、厳しい条件下ではステッパーの誤動作につながる可能性があります。これらの問題を緩和するため(およびステップの分解能を改善するため)、ステッパーの巻線は方形波ではなく、正弦波で駆動されます。この問題が発生した場合、モーターはマイクロステップ状態にあると呼ばれます。マイクロステップ・アプリケーションでステッパーを駆動するには、各コイルに個別の H ブリッジ回路を配置し、プロセッサからの PWM を利用して正弦波を変調させるのが一般的な方法です。ただし、設計者は、特に開ループのアプリケーションにおいて、ステップの分解能を増加させても、ステップの精度が必ずしも向上するとは限らないことに注意する必要があります。これに寄与する 2 つのファクタは、以下のとおりです。

  1. 回転子に対して指令された位置に対する 回転子の実際の位置は、ステッパーの静止トルク曲線に示されるように、モーターの負荷による影響を受けます。トルクの負荷によっては、実際のシャフト角度が、指令されたステップ角度とは数マイクロステップ異なる場合があります。
  2. ステップ角度の精度は、モーターの設計、および回転子と固定子の構造を機械処理する際に使用される許容度による影響も受けます。マイクロステップ・アプリケーションで使用することを目的としたステッパーには、高水準の機械処理が施されるので、コストも高くなります。ただし、共振の感受性を改善させた安価なステッパーを使用して、マイクロステップを実行することもできます。