JAJSKV8A December   2020  – May 2022 INA229

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成と機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 タイミング要件 (SPI)
    7. 6.7 タイミング図
    8. 6.8 標準的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 特長の説明
      1. 7.3.1 多用途の高電圧測定機能
      2. 7.3.2 内部測定および計算エンジン
      3. 7.3.3 低いバイアス電流
      4. 7.3.4 高精度デルタ - シグマ ADC
        1. 7.3.4.1 低レイテンシのデジタル・フィルタ
        2. 7.3.4.2 フレキシブルな変換時間と平均化
      5. 7.3.5 シャント抵抗ドリフト補償
      6. 7.3.6 内蔵高精度発振器
      7. 7.3.7 マルチアラート監視とフォルト検出
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 シャットダウン・モード
      2. 7.4.2 パワーオン・リセット
    5. 7.5 プログラミング
      1. 7.5.1 シリアル・インターフェイス
        1. 7.5.1.1 SPI フレーム
    6. 7.6 レジスタ・マップ
      1. 7.6.1 INA229 レジスタ
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
      1. 8.1.1 デバイスの測定範囲と分解能
      2. 8.1.2 電流、電力、エネルギー、および充電の計算
      3. 8.1.3 ADC 出力のデータ・レートとノイズ性能
      4. 8.1.4 入力フィルタリングに関する検討事項
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1 シャント抵抗の選択
        2. 8.2.2.2 デバイスの構成
        3. 8.2.2.3 シャント・キャリブレーション・レジスタのプログラム
        4. 8.2.2.4 目標のフォルト・スレッショルドの設定
        5. 8.2.2.5 戻り値の計算
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
  9. 電源に関する推奨事項
  10. 10レイアウト
    1. 10.1 レイアウトのガイドライン
    2. 10.2 レイアウト例
  11. 11デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 11.1 Receiving Notification of Documentation Updates
    2. 11.2 サポート・リソース
    3. 11.3 商標
    4. 11.4 Electrostatic Discharge Caution
    5. 11.5 Glossary
  12. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

デバイスの測定範囲と分解能

INA229 デバイスは、シャント電圧の測定に 2 つの入力範囲をサポートしています。IN+ ピンと IN- ピンの間でサポートされているフルスケールの差動入力は、CONFIG レジスタの ADCRANGE ビットに応じて、±163.84mV または ±40.96mV のいずれかになります。バス電圧の測定値の範囲は 0V~85V です。内部ダイ温度センサの範囲は、-256℃~+256℃ に拡張されますが、パッケージによって -40℃~125℃ に制限されます。

表 8-1 に、シャント電圧、バス電圧、温度のフルスケール測定値と、それぞれのステップ・サイズを示します。

表 8-1 ADC のフルスケール値
パラメータフルスケール値分解能
シャント電圧±163.84mV (ADCRANGE = 0)312.5nV/LSB
±40.96mV (ADCRANGE = 1)78.125nV/LSB
バス電圧0V~85V195.3125μV/LSB
温度-40℃~+125℃7.8125m℃/LSB

デバイスのシャント電圧、バス電圧、温度の測定値は、それぞれ VSHUNT、VBUS、DIETEMP レジスタから読み取ることが可能です。VSHUNT レジスタと VBUS レジスタのデジタル出力は、20 ビットです。シャント電圧の測定値は、システムの双方向電流により正の値にも負の値にもなります。そのため、VSHUNT のデータ値は、正の値にも負の値にすることも可能です。VBUS のデータ値は常に正の値です。出力データは、デジタル値にそれぞれの分解能サイズを掛けることにより、電圧に直接変換することができます。DIETEMP レジスタのデジタル出力は 16 ビットで、上記の分解能サイズを掛けることにより、℃ に直接変換することができます。この出力値は、正の値にも負の値にもなります。

さらに、Topic Link Label8.1.2 に示すように、このデバイスは計算された電流をアンペアで、電力をワットで、充電をクーロンで、エネルギーをジュールで通知する柔軟性も備えています。