JAJSDA3 June   2017 LM5122-Q1

PRODUCTION DATA.  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
    1.     アプリケーション概略図
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
    1.     ピン機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD定格: LM5122-Q1
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1  低電圧誤動作防止(UVLO)
      2. 7.3.2  高電圧VCCレギュレータ
      3. 7.3.3  発振器
      4. 7.3.4  勾配補償
      5. 7.3.5  エラー・アンプ
      6. 7.3.6  PWMコンパレータ
      7. 7.3.7  ソフトスタート
      8. 7.3.8  HOおよびLOドライバ
      9. 7.3.9  バイパス動作(VOUT = VIN)
      10. 7.3.10 サイクル単位の電流制限
      11. 7.3.11 クロック同期
      12. 7.3.12 最大デューティ・サイクル
      13. 7.3.13 過熱保護
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 MODE制御(強制PWMモードおよびダイオード・エミュレーション・モード)
      2. 7.4.2 モード制御(スキップ・サイクル・モードおよびパルス・スキッピング・モード)
      3. 7.4.3 ヒカップ・モードの過負荷保護
      4. 7.4.4 スレーブ・モードとSYNCOUT
  8. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
      1. 8.1.1 帰還補償
      2. 8.1.2 分数調波の発振
      3. 8.1.3 インターリーブ昇圧構成
      4. 8.1.4 DCRの検出
      5. 8.1.5 出力過電圧保護
      6. 8.1.6 SEPICコンバータの概略回路図
      7. 8.1.7 非絶縁同期整流フライバック・コンバータの概略回路図
      8. 8.1.8 負から正への変換
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1  WEBENCH®ツールによるカスタム設計
        2. 8.2.2.2  タイミング抵抗RT
        3. 8.2.2.3  UVLO分圧抵抗RUV2、RUV1
        4. 8.2.2.4  入力インダクタLIN
        5. 8.2.2.5  電流センス抵抗RS
        6. 8.2.2.6  電流センス・フィルタRCSFP、RCSFN、CCS
        7. 8.2.2.7  勾配補償抵抗RSLOPE
        8. 8.2.2.8  出力コンデンサCOUT
        9. 8.2.2.9  入力コンデンサCIN
        10. 8.2.2.10 VINフィルタRVIN、CVIN
        11. 8.2.2.11 ブートストラップ・コンデンサCBSTと、昇圧ダイオードDBST
        12. 8.2.2.12 VCCコンデンサCVCC
        13. 8.2.2.13 出力電圧分圧抵抗RFB1、RFB2
        14. 8.2.2.14 ソフトスタート・コンデンサCSS
        15. 8.2.2.15 再起動コンデンサCRES
        16. 8.2.2.16 ローサイド電力スイッチQL
        17. 8.2.2.17 ハイサイド電力スイッチQHと追加の並列ショットキー・ダイオード
        18. 8.2.2.18 スナバ部品
        19. 8.2.2.19 ループ補償部品CCOMP、RCOMP、CHF
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
  9. 電源に関する推奨事項
  10. 10レイアウト
    1. 10.1 レイアウトの注意点
    2. 10.2 レイアウト例
  11. 11デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 11.1 デバイス・サポート
      1. 11.1.1 開発サポート
        1. 11.1.1.1 WEBENCH®ツールによるカスタム設計
    2. 11.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 11.3 コミュニティ・リソース
    4. 11.4 商標
    5. 11.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 11.6 Glossary
  12. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

MODE制御(強制PWMモードおよびダイオード・エミュレーション・モード)

完全同期整流式昇圧レギュレータを、ダイオードではなくハイサイド・スイッチとともに実装すると、軽負荷、過電圧、負荷過渡など特定の状況で、出力からの電流をシンクできます。LM5122は、強制PWMモード(FPWM)またはダイオード・エミュレーション・モードで動作するよう構成できます。

FPWMでは、ハイサイドNチャネルMOSFETスイッチで逆電流が許可され、軽負荷または無負荷の状況でもインダクタ電流が連続的に伝導されます。強制PWMモードの利点は、軽負荷から重負荷までの範囲で過渡応答が高速で、軽負荷または無負荷の状況で動作周波数が一定なことです。FPWMを有効にするには、MODEピンをVCCに接続するか、1.2Vより高い電圧に接続します。FPWMでは逆電流が制限されません。

ダイオード・エミュレーション・モードでは、ハイサイド・スイッチの電流が一方向(ソースからドレイン)にしか許可されません。ローサイド・スイッチのオン時間の間に、CSPからCSNへの電圧が、ゼロ電流検出の立ち上がりスレッショルドである7mVよりも高い場合、ハイサイド・スイッチのターンオンが許可されます。CSPからCSNへの電圧が、ハイサイド・スイッチのオン時間の間に、ゼロ電流検出の立ち下がりスレッショルドである6mVよりも低い場合、ハイサイドNチャネルMOSFETスイッチを流れる出力から入力への逆電流が防止され、PWMサイクルの残り期間についてハイサイドNチャネルMOSFETスイッチをラッチ・オフすることにより、不連続伝導モードで動作します。ダイオード・エミュレーションの利点は、軽負荷の状況で電力損失が小さいことです。

LM5122-Q1 Mode Selection.gifFigure 25. モード選択

LM5122のスタートアップ時、プリバイアス負荷へのスタートアップについて、SSピンの電圧が1.2Vよりも低い間は強制的にダイオード・エミュレーションになります。強制ダイオード・エミュレーションは、SSが1.2Vよりも高いとき、PWMコンパレータからのパルスによって終了します。ソフトスタート期間内にLOパルスが発生しない場合は、ブートストラップ・コンデンサを充電するため、ソフトスタートの終了時に350nsのLOパルスが一回だけ発生します。インダクタ電流のリップル比が高い場合や、非常に高いスイッチング周波数で動作しているときには、内部の電流検出遅延の関係で、LM5122のダイオード・エミュレーション・モードの構成について注意深く評価する必要があります。FPWMモードでの全負荷から無負荷への過渡性能も検証します。