Arm® ベースの各種プロセッサ - 設計と開発
設計と開発を意図した TI のエコシステムは、お客様の設計プロセスの簡素化を支援します。お客様が各種設計オプションを検討し、Arm® をベースとするプロセッサ向けのリソースを検索すると、開発が容易になります。
適切なデバイスの調査と検索
開発中のアプリケーションに最適なデバイスを検索する準備ができていますか?検索は簡単に実施できます。 複数のデバイス・オプションを検討し、開発の開始に役立つリソースを検索することができます。TI の製品検索機能を使用すると、Arm ベースの適切なプロセッサを特定できます。

評価
皆様が市場投入期間を短縮できるように、TI は包括的な開発エコシステムの確立と維持に継続的に取り組んでいます。お客様がソフトウェア全般とアプリケーション固有のソフトウェア・キットの両方でシステム機能を拡張できるように、TI はモジュール型ハードウェアと、エキスパートが作成したサンプル・コードを公開し、アクセスできるようにしています。お客様はその結果、開発ニーズに最適なデバイスの評価と特定をできるだけ迅速に進めることができます。ぜひご覧ください。

評価ステップ 1:開発対象ハードウェアを選定
Arm ベースの各種プロセッサで構成された TI の製品ラインアップは、コミュニティ・プラットフォームの選択肢、各種スタータ・キット、フル機能の評価機能 (EVM) で構成されています。評価対象のデバイスを特定した後、TI の製品ページをご覧になり、評価用途に使用できる推奨ハードウェアをご確認ください。各ハードウェア・プラットフォームで、特定の設計ニーズに合わせてカスタマイズ済み機能セットを使用して、総合的な評価と開発を行うことができます。開発の出発点として、一般的に採用されている TI のハードウェア・リソースをご紹介します。
コミュニティ・プラットフォームとスタータ・キット
コミュニティ・プラットフォームと TI スタータ・キットを選択すると、コスト効率の優れた方法で評価を開始できます。これらのプラットフォームを使用すると、評価を迅速に進め、事前ロード済みのサンプルを活用して設計プロセスを迅速に開始することができます。
BeagleBone® 開発ボード
BeagleBoard.org は、Arm Cortex-A シリーズ・コアを採用した TI (テキサス・インスツルメンツ) の低消費電力プロセッサをベースとして、低コストの各種ファンレス・シングルボード・コンピュータを提供しており、かさばらず、費用も低額で、ノイズも発生しない現代風のデスクトップ・マシンで多様な拡張性全般に対応しています。
AM437x スタータ・キット
AM437x スタータ・キットは、Arm Cortex-A9 ベースの各種 AM437x プロセッサの評価を迅速に開始するのに役立つ、安定性が高く手ごろな価格のプラットフォームを実現します。また、HMI (ヒューマン・マシン・インターフェイス)、産業用、ネットワークの各アプリケーションの開発期間短縮に貢献します。
AM335x スタータ・キット
AM335x スタータ・キットは、AM335x ファミリの各種 Arm Cortex-A8 プロセッサの評価を迅速に開始するのに役立つ、安定性が高く手ごろな価格のプラットフォームです。
フル機能の各種評価基板
フル機能のこの評価基板 (EVM) には、デバイスのすべての機能とインターフェイスにアクセスできる利点があり、評価から量産までの各段階で役に立ちます。TI の各種評価基板は、最大限のフレキシビリティを実現しているので、お客様は制限なしでソフトウェアを開発することができます。
評価しようとするデバイスを特定した後、該当の製品ページをご覧ください。TI は、推奨の評価ツールをすべて掲載しています。一般的に採用されている評価基板の一部を以下に示します。
AM65x 評価基板
AM65x EVM を使用すると、Arm Cortex-A53 をベースとする AM65x プロセッサ・ファミリの評価をすぐに開始し、ハードウェアのテストしやすさとコネクティビティを実感することができます。
AM572x 評価基板
AM572x 評価基板 (EVM) を使用すると、お客様は Arm Cortex-A15 をベースとする AM57x プロセッサ・ファミリの評価をすぐに開始し、多様なハードウェアのテストしやすさとコネクティビティを活用して各種ソフトウェア・アプリケーションを開発することができます。
DRA821xM 評価基板
DRA821xM EVM は、Jacinto™ DRA821x SoC の高速ネットワーキング機能を評価するための設計を採用しており、時間に制約のあるタスクに使用できる複数の補助的な Arm Cortex-R5F MPU を搭載した Arm Cortex-A72 MPU を実装しています。
TDA4x と DRA829x の各プロセッサ向け評価基板
J721EXCP01EVM 共通プロセッサ・ボードは、TDA4x と DRA8x 両方の SoC をサポートしています。これらの SoC は、固定小数点と浮動小数点の各 DSP コア、および複数の Arm Cortex-A72 コアを組み合わせた異種アーキテクチャを採用しています。この評価基板は、入出力、JTAG、各種拡張カードを意図した基本的な接続機能を実装済みです。
DRA74x/DRA75x 評価基板
インフォテインメント、再構成可能なデジタル・クラスタ、統合型デジタル・コックピットなどのアプリケーションの市場投入期間短縮に役立つ設計を採用した汎用評価基板 (EVM) です。 この評価基板を使用すると、2 個の Arm Cortex-15、2 個の Arm Cortex-M4、2 個の DSP などで構成されたデバイス・アーキテクチャを評価できます。
TDA3x 評価基板
TDA3x プロセッサをベースとする汎用評価基板 (EVM)。この評価基板は、パラレルとシリアルのマルチカメラ・インターフェイス、CAN、CAN-FD、ギガビット・イーサネット PHY などの各種ペリフェラルに対応する 1 個のホストも統合しています。この異種アーキテクチャは、複数の DSP コア、デュアル Arm Cortex-M4 プロセッサ、組込みビジョン・エンジンを搭載しています。
各種リファレンス・デザインを使用したシステム評価
TI の各種リファレンス・デザインは、特定のアプリケーション向けに Arm® ベースの各種プロセッサを使用して設計を実施する場合に役立つほか、サブシステム設計に適した例を提示します。開発に最適な製品を検索できます。
評価ステップ 2:ソフトウェアのダウンロードとセットアップ
評価を開始すると、TI の信頼性の高いソフトウェア開発環境、およびソフトウェア開発キットとドライバ・ライブラリとその他のリソースで構成された総合的なエコシステムの両方にアクセスできるようになります。すべてのソフトウェアは TI から無償で入手でき、量産使用の場合はロイヤリティ・フリーで利用できます。これらのソフトウェア・リソースは互いに連携するので、お客様が性能を検証し、開発ニーズに最適なデバイスを確実に識別するのに役立ちます。
プロセッサ SDK を使用すると、組込みシステムの評価に必要なすべてのコンポーネントにアクセスできます。これらに該当するのは、設計のフレキシビリティを高める目的で、メインライン Linux または RTOS カーネルと事前統合済みのコンポーネントなどです。
TI の各種 SDK を使用すると、セットアップを簡単に実行し、各種ソフトウェア・コンポーネントにすぐにアクセスすることができます。また、これらの SDK は互いに連携して動作することを包括的にテスト済みです。お客様は評価プロセス全体で、ボードを迅速に動作させるための主な各種機能にアクセスし、ソフトウェアの強力な土台を活用してアプリケーション開発に集中することができます。
各種デバイス・ドライバと OS: OS を含め、TI の各種デバイス・ドライバと基本ソフトウェアを使用すると、最小限のコード・サイズで効率的な実装を実施でき、ハードウェアを最大限活用することが可能です。
ライブラリとミドルウェア: TI は、一般的な機能とアプリケーションをサポートできるように、最適化済みのライブラリとミドルウェアを提供しています。 これらのライブラリは、通信スタック、数学ライブラリ、アプリケーションの開発に役立つ各種アルゴリズムなど、耐久性の高い各種コンポーネントを収録しています。
API: TI の各種 API は一貫性があり、適切な文書化も実施済みなので、お客様が開発したアプリケーション・コードを迅速かつ簡単に統合することができ、アプリケーションが正常に動作するという自信を抱くことができます
各種サンプルとすぐに使用できるデモ: SDK はソフトウェア・コンポーネントの基礎を確立しており、連携して動作するかどうかを包括的にテスト済みなので、お客様はアプリケーション開発に集中できます。加えて、各種統合開発環境 (IDE) プロジェクトを SDK 内で利用できるので、ボードの起動と動作を迅速に実現できます。

開発
実績のある TI のハードウェア、ソフトウェア、ツールを使用すると、開発作業の簡素化と、開発期間の短縮を実現できます。量産に移行するために必要な要素すべてを、すぐに入手できます。お客様が開発プロセスを進め、組込みシステムの設計を迅速化できるように、TI がお手伝いします。
TI の包括的なソフトウェア・エコシステムは、組込みシステムの開発の簡素化と迅速化を目的とする設計を採用しています。


Arm® ベース・プロセッサ向けの TI のソフトウェア・エコシステムをご確認ください。
ソフトウェア | 概要 |
---|---|
ソフトウェア開発キット (SDK) | 各種 SDK は、組込みシステムの開発を開始するために必要なコンポーネントをすべて提供します。これらは包括的なテストと統合を実施済みであり、リリースは四半期ごとです。 |
Code Composer Studio™ IDE | Eclipse ベースの IDE は、組込みアプリケーションの開発とデバッグに使用できる一連のツールで構成されています |
システム構成ツール (SysConfig) | ピン、ペリフェラル、無線、サブシステムの構成に利用できる一連のグラフィカル・ユーティリティと、PinMux ツールや、DDR、Clock Tree (クロック・ツリー構成) ツールなど他の各種ツールもあります。 |
コンパイラ | Arm C/C++ コンパイラと各種アセンブリ言語ツールは、Code Composer Studio ソフトウェアに付属しており、Arm をベースとする TI の各種プラットフォーム上でお客様が実施するアプリケーションの開発をサポートします。 |
UniFlash | Arm をベースとするプロセッサのオンボード・フラッシュ・メモリのプログラミング (書き込み) 向けに推奨のスタンドアロン・ツール。 |
各種デバッグ・プローブと各種トレース・ツール | 各種デバッグ・プローブを使用すると、Arm をベースとする TI の各種プロセッサ上でソフトウェアを開発することができます。これらのデバッグ・プローブは、機能と予算に関するさまざまなニーズを満たす設計を採用しています。各種トレース・ツールを使用すると、基本的な分析を実行できます。お客様が特定のサード・パーティーを選択して活用し、より包括的なトレース機能を実行することもできます。 |
デベロッパー・ネットワーク
お客様の設計ニーズを最適な方法で満たし、市場投入までの期間を短縮できるように、TI はさまざまなサード・パーティーと協力し、ソフトウェア開発から、ハードウェア設計やその他の量産サービスまで、あらゆる支援を行っています。次の表に、TI のサード・パーティ・パートナー・ネットワークの一部を示します。サード・パートナーの一覧は、表の後にある複数のリンクで確認できます。
サード・パーティー・パートナー | 概要 | ツールまたはサービスの種類 | 拠点 | ||
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ハードウェア | ソフトウェア | サービス | |||
Mentor | Mentor は、Linux と Nucleus RTOS 向けの各種組込みソフトウェア・ソリューションを提供しています。同社は、組込みソフトウェア製品とコンパイラ向けの各種開発サービスも提供しています。 | グローバル | |||
Montevista | MontaVista のソフトウェアは、組込み Linux の各種商用化サービスを提供します。 | グローバル | |||
Timesys | Timesys は、組込みソフトウェア市場全体を対象として、組込み Linux 向けのオープン・ソース・ソフトウェア、セキュリティ、開発ツール、エンジニアリング・サービスを提供しています。 | グローバル | |||
Wind River | Wind River は、VxWorks RTOS などのソフトウェアとサービスを提供し、システムの進化と刷新を支援します。 | グローバル | |||
Witekio | Witekio には、低水準、ミドルウェア、および組込みの各ソフトウェア開発に関する専門知識があります。 | グローバル | |||
Green Hills Software | Green Hills Software は、プラットフォームに依存しないリアルタイム・オペレーティング・システムである INTEGRITY と、ハードウェアやソフトウェアの広範なプラットフォームをサポートする各種組込み開発ソリューションを提供しています。 | グローバル | |||
QNX | QNX は、Neutrino RTOS などの各種ソフトウェア製品と、組込み開発を支援する各種プロフェッショナル・サービスを提供しています。 | グローバル | |||
eInfoChips | eInfoChips は、製品エンジニアリング・サービスと半導体設計サービスを提供します。 | グローバル | |||
Mistral Solutions | Mistral は、組込み製品の開発を支援するために、ハードウェア設計やソフトウェア開発を含め、各種組込みエンジニアリング・サービスを提供しています。 | グローバル | |||
PHYTEC | PHYTEC は、各種システム・オン・モジュール (SOM) のプロバイダおよびインテグレータです。 | グローバル | |||
Codesys | Codesys は、エンジニアリング制御システム向けのオートメーション・ソフトウェアを提供しています。 | グローバル | |||
Crank Software | Crank Software は、各種組込みタッチスクリーン向けの 2D および 3D GUI 設計業務と開発業務を支援します。 | グローバル | |||
D3 Engineering | D3 Engineering は、自律システム、コネクテッド・オートメーション (ネットワーク接続型の自動化)、および組込みビジョン向けに、各種組込みシステムの開発サービスを提供します。 | グローバル | |||
Momentum Data Systems (MDS) | MDS は、オーディオ、ビデオ、信号処理の幅広いアプリケーション向けに、各種 DSP ツール、ハードウェア、ソフトウェア、システムを提供します。 | グローバル | |||
Smart Eye | Smart Eye は、各種車載アプリケーションで使用できるアルゴリズムとソフトウェアを含め、各種の視線追跡型ソリューションを提供します。 | グローバル | |||
Vector | Vector は、車載エレクトロニクス向けの各種組込みシステムを開発できるように、ツールとソフトウェア・コンポーネントで構成されたプラットフォーム、および各種サービスを提供します。 | グローバル |
量産出荷中
お客様が設計を完成させ、市場に投入するための準備を進める過程で、迅速かつ円滑な市場参入を実現できるように、TI は必要なリソースの提供に取り組んでいます。お客様が直面する多様な課題に対応できるように、TI は最終的な開発フェーズまでお客様をサポートします。
耐用期間
デバイスを選定する際に、それらのデバイスの製品寿命と供給の継続性に関する信頼性が必要です。 TI は製品の耐用期間を意識した取り組みを継続しており、この取り組みを維持するための戦略と方針も策定済みです。
サステナビリティ
TI は、高品質の IC 製品の設計、製造、市場への投入に取り組んでいます。TI はまた、最高品質の IC の供給にも取り組んでいます。
ソフトウェア・サポート
各種プロセッサ SDK を使用すると、メインライン Linux 環境で業務を進めるときに、重要な最新のコード・リリースにアクセスできます。TI はまた、四半期ごとにバグ修正を行って各種 SDK を更新しています。
トレーニング
Arm をベースとするプロセッサ向けアプリケーションの開発を支援するために、TI は複数のオンデマンド・トレーニング・オプションを用意しています。
