認定概要に関する FAQ

認定概要に関する FAQ

 

半導体製品の認定に関する TI の立場はどのようなものですか?

品質と信頼性は、TI (テキサス・インスツルメンツ) の文化にとって不可欠です。高品質の製品をお客様にお届けするという目標を達成するために、TI の半導体技術開発は、105℃ の接合部温度、10 万時間の通電で、平均故障率が 50 FIT未満であることを最小限のゴールとして設定しています。TI は、製品開発プロセスの一環として、シミュレーション、加速試験、堅牢性評価を取り入れています。製品開発プロセスを通じて、TI はシリコン・プロセスの信頼性、パッケージの信頼性、シリコンとパッケージの相互作用を注意深く評価しています。

TI は、車載以外の半導体製品に関してどのような認定基準を満たしていますか?

車載以外のデバイスは、主に JEDEC (Joint Electron Devices Engineering Council、半導体技術協会) の意図に従った形で、業界標準の試験手法による認定を行っています。TI は、JEDEC の JESD47 規格に基づいて、新規デバイス、重要変更、製品ファミリに対する認定を行っています。TI はデバイスの生産性も評価しており、シリコン・フローと組み立てフローの堅牢性を検証する方法で、お客様への継続的な製品供給を実現しています。

TI は、車載半導体製品に関してどのような認定基準を満たしていますか?

車載デバイスは、主に AEC (Automotive Electronics Council、車載電子部品評議会) の Q100 規格の意図に従った形で、業界標準の試験手法による認定を行っています。 AEC Q100 は、新規デバイスと重要変更に対して推奨される認定要件と手順を規定した、自動車業界の標準です。  AEC-Q100 規格を満たす部品の詳細については、以下の「車載認定」セクションをご覧ください。 

AEC-Q100 認定済みの車載製品は、商用製品とどのような点で異なっていますか?

Q100 製品は、温度グレードに基づいて認定されます。Q100のストレス印加品は、信頼性試験前後にグレードによる高温および常温で前後の検査を実施します。コマーシャル品は信頼性ストレス印加後に常温でのみ検査します。 

温度グレードは、車載製品の認定と使用要件にどのような影響を及ぼしますか?

グレード 0 (-40℃ ~ 150℃)、グレード 1 (-40℃ ~ 125℃)、グレード 2 (-40℃ ~ 105℃)、グレード 3 (-40℃ ~ 85℃) は、互いに異なるストレス条件を規定しています。一般的に、車載アプリケーションで製品を使用する場所に基づいてグレードを決定します。たとえば、アプリケーションをエンジン・ルーム内で使用する場合、グレード 0 を適用し、非常に温度の高い環境に耐える必要が生じます。この場合、デバイスのグレードに基づいて、認定要件はより厳格になります。

TI 製品の認定概要はどこに掲載されていますか?

TI 製品の認定概要は、TI.com をご覧ください。 詳細については、TI の Qualification Summary Tool  (英語) をご覧ください。

TI 製品に対して高温動作寿命 (High Temperature Operating Life、HTOL) 試験を実施するのはなぜですか?

HTOL を実行する目的は、長期間にわたって高温条件下で動作させた場合のデバイスの信頼性を判断することです。 規定の温度と時間にわたり、これらの部品に対して規定の電気的バイアスを印加します。 

使用するデバイスが 2kV の人体モデル (HBM) ESD 試験に合格することに、どのような意義がありますか?

デバイスがこの定格を満たしている場合、IC を取り扱う製造時に通常の取り扱いが原因で ESD による過渡 (2kV) が発生したときでも、ESD が減衰するので、デバイスが破損する事態を防止できます。

WCSP (ウェハー・レベル・チップ・スケール・パッケージ) または BGA (ボール・グリッド・アレイ) パッケージに対して認定試験を実施する場合、コンポーネントはプリント配線基板 (PWB) に取り付け済みの状態ですか?

ストレス試験を実施する場合、コンポーネントをプリント配線基板 (PWB) に取り付けることもあります。

特定のストレスを印加する前に前処理を実施するのはなぜですか? また、前処理の加湿条件はどのような方法で決定されていますか?

このストレスを印加する目的は、基板実装時の半田付け工程の熱ストレスへの製品の耐性評価です。加湿条件は JEDEC により規定されています。また JEDEC は IPC/JEDEC J-STD-020 で Moisture Reflow Sensitivity Classification(湿度・リフロー耐性区分)を実施するよう規定しています。 

AEC Q100 を満たす製品が欠陥ゼロを達成している、という説明は真実ですか?

AEC 委員会は、欠陥ゼロを最終的な目標として、欠陥を減らすために使用する必要のあるツールと手法の使用法に関するガイドラインを規定しています。いくつかの例として、DFMEA (Design Failure Modes and Effects Analysis、設計の故障モードと影響解析)、PFMEA (Process Failure Modes and Effects Analysis、プロセスの故障モードと影響解析)、SPC (Statistical Process Control、統計的プロセス管理) を挙げることができます。TI は、自社の設計プロセスと製造プロセスで、これらの欠陥低減システムを採用済みです。  

IATF16949 仕様とは何を意味しますか? また、TI (テキサス・インスツルメンツ) はこの規格の認定を取得済みですか?

これは、自動車業界向けのグローバル品質管理システム規格です。TI (テキサス・インスツルメンツ) の複数の製造拠点は、IATF16949 の認定を取得済みです。TI が取得済みの認定については、 こちらをご覧ください。  

AEC-Q006 とは何ですか?

AEC-Q006 は、AEC (Automotive Electronics Council、車載電子部品評議会) の認定規格であり、車載製品内で銅 (Cu) 配線によるインターコネクション (相互接続) を使用する部品に関する要件を規定しています。

TI 製品は最新の Q100 仕様に準拠していますか?

TI のデバイスは、各デバイスのリリース時点で AEC Q100 の最新バージョンの認定を取得済みです。 AEC の資料は、次の場所に掲載されています。   http://www.aecouncil.com/

TI の製品ごとに、ESD-HBM と ESD-CDM の異なる定格が表示されるのはなぜですか?

各製品に対し、HBM と CDM の複数の電圧レベルで試験を実施しています。個別デバイスは、サイズやダイ・サイズなど特徴の違いが原因で、感度も互いに異なっています。これらの違いは、合格する電圧レベルに影響を及ぼす可能性があります。 HBM 分類表は ANSI/ESDA/JEDEC JS-001-2017 に掲載されており、CDM のレベルは  JEDEC の JESD22-C101 に従います。

他社のデータシートは、より大きい値の ESD を掲載しています。TI の値がこれほど大きくないのはなぜですか?

TI は、試験の際に JEDEC の ESD 規格に従っています。場合によっては、「他社と同じ電圧で TI の部品の試験を実施したが、TI のデータシートはマージンを見込んで低い電圧を規定している」、という可能性もあります。この方法を採用する場合、その部品は長期にわたって確実にそのレベルを満たすことになります。コンポーネントにとって、業界標準の最小レベルは HBM が 1KV、CDM が 250V であり、基本的な ESD 管理方法を採用している最新の製品の製造と取り扱いの際に、これらの数値は安全な目標値と考えられます。

安全な ESD レベルについては、ESD Council の以下の記事 (英語) をご覧ください。

A Case for Lowering Component Level CDM ESD Specifications and Requirements (英語)

A Case for Lowering Component Level HBM ESD Specifications and Requirements (英語)

認定レポートの中で、一部のレポートはオートクレーブを使用し、他のレポートはバイアス印加なしの HAST (湿度と温度に関する加速ストレス試験) を使用していることに気付きました。これらは互いに条件が異なっていますが、互換性があると考えてよいでしょうか?同じ質問は、THB (Temperature Humidity Bias、温度湿度バイアス) と HAST に関連しています。これらに関して、ストレスを印加する時間と条件が異なっています。

JEDEC に従い、オートクレーブまたはバイアス印加なしの HAST を実施することができます。BGA (ボール・グリッド・アレイ) と WCSP (ウェハー・チップ・スケール) の各デバイスの場合、オートクレーブは推奨されていません。JEDEC に従い、HAST (Highly Accelerated Stress Test、高度加速ストレス試験) または THB ストレスを実施することができます。サブストレート付き BGA の場合、THB が推奨されています。THB の条件を加速する目的で、HAST を使用することもできます。