ハンドヘルド・データ端末やハンドヘルド・コンピュータとも呼ばれるポータブル・データ端末(PDT)は多くの配送、ロジスティクス、在庫管理アプリケーションで使用されている堅牢なポータブル・コンピューティング・デバイスで、さまざまな業界のモバイル・ワーカーの業務効率向上を可能にします。PDT の大きな特長はリモート・サーバー上の情報への通信やアクセスのために、モバイル・コンピューティングにカメラ、バーコード・スキャナ、ワイヤレス・コネクティビティを統合している点です。
PDT はカスタム・アプリケーション、リモート・アップデート、使用シーンでの使いやすさを実現するオペレーティング・システムを必要とします。堅牢な筐体に収納されており、全天候下で使用でき、工場の現場や倉庫環境での落下に対する耐性を提供します。
コアとなるシステム:
- プロセッサ:Sitara ARM プロセッサは最大 1GHz の ARM Cortex-A8 CPU と POWERVR SGX™ グラフィック・アクセラレータをベースとしています。クラス最高の ARM / グラフィック・アーキテクチャが 45nm プロセス技術に統合されており、低消費電力を提供するとともに高性能実現のために最適化されています。性能と消費電力の最適バランスにより、ポータブル・データ端末アプリケーションに最適です。
- バーコードスキャンとカメラポート:Sitara AM3715 アプリケーション・プロセッサの複数のシリアル IO により 1D / 2D バーコードスキャン機能をサポートでき、レーザー・リーダーに対応します。さらに、カメラポートは 2D と 3D のスキャナで使用されます。ARM Cortex-A8 コアは UPC コードのキャプチャと解析のためのスキャン・アルゴリズムの処理要件を完全にサポートしています。AM3715 ARM コアは性能が高く、1D / 2D レーザー・リーダー、2D/3D CMOS カメラ・センサ、UPC コード・スキャン・アルゴリズムに対応できます。
- ネットワーク・インターフェイス:PDT の主な利点は、リモート・サーバーやデータ・ストレージ設備との全二重ワイヤレス通信が可能な点です。多くのシステムは真のモビリティを実現するために、IEEE 802.11a/b/g/n のワイヤレス LAN と 2G/3G/4G のセルラー・モデムを必要とします。高性能の WL1271 トランシーバ・チップは 2.4GHz の IEEE 802.11b/g/n と Bluetooth v2.1 + Enhanced Data Rate(EDR)トランシーバを実現します。また、TI の Enhanced Low Power(ELP)技術との組み合わせによりクラス最高の共存能力を提供し、お客様の開発期間短縮、製造コスト低減、容易な認証を可能にします。
- GPS:TI の WLAN チップセットは GPS ソリューションの位置認識 / 追跡アプリケーション要件をサポートしています。
- タッチ・スクリーン・インターフェイス:タッチスクリーン制御の要件を満たしており、実際の使用シーンで使いやすい PDT を実現できます。この機能は一部の Sitara プロセッサではオンチップで対応しています。TSC 製品シリーズの外部タッチ・スクリーン・コントローラ経由で使用することもできます。
- パワー・マネージメント:TI はディスクリート LDO から高集積 PMIC(パワー・マネージメント IC)に至るまで、広範なパワー・マネージメント IC を提供しています。これらの PMIC は PDT に対し、コア、メモリ、IO 電源の生成と安定化のためのソリューションを提供します。また、タッチ・スクリーン・コントローラ、キーパッド・インターフェイス、USB トランシーバ向けの高効率で環境に優しい電源ソリューションを可能にします。