ADC-ENERGY-METROLOGY-LIB-SW

ADC エネルギー測定ライブラリ・ソフトウェア・パッケージは、高性能マルチチャネル A/D コンバータ (ADC) を使用し、電気メーター、パワー・ディストリビューション・ユニット (PDU)、サーキット・ブレーカでエネルギー測定に一般的に使用されている各種測定パラメータを計算する機能を実装します。

この ADC は各チャネルの出力を最大 8kHz でサンプリングし、AC 商用電源の各レッグの電流と電圧を測定します。このソフトウェア・ライブラリは、広い入力電流範囲 (0.05A ～ 100A) にわたって高い精度を達成するほか、個別の高調波分析のような高度な電力品質機能が必要とする高いサンプリング周波数に対応しています。独立型の ADC を使用して電流センサの出力をサンプリングすると、アプリケーションに統合した SoC (システム・オン・チップ) や専用の特定用途向け製品を使用する場合に比べて、計測向けマイコンの選択肢に関するフレキシビリティが大幅に向上します。

このソフトウェアには、Arm® Cortex®-Mx マイクロプロセッサとの通信を実行するためのハードウェア抽象化レイヤ、エネルギー測定向けの計測計算ライブラリ、電気メーターのサンプル・アプリケーションが付属しています。多相電気メーター・アプリケーションの開発とテストに Arm Cortex-M4 MSP432P マイクロプロセッサを使用しましたが、ハードウェア・アブストラクション・レイヤを活用して他のマイクロプロセッサに移植することもできます。

また、TIDA-010037 と TIDA-010036 の各リファレンス・デザインを使用して測定パラメータを表示するための Windows® PC 向け GUI も付属しています。

このソフトウェアは特に、エネルギー測定に関する以下のような各種計測パラメータの計算をサポートしています。

• パルス生成出力を採用した、全相と相ごとの有効エネルギー (kWh)、無効エネルギー (kvarh)、皮相エネルギー (kVAh)
• 全相と相ごとの有効電力 (kW)、無効電力 (kvar)、皮相電力 (kVA)
• 全相と相ごとの基本有効エネルギー
• 全相と相ごとの基本有効電力
• 全相と相ごとの力率
• 相ごとの電圧と電流の RMS (2 乗平均平方根、実効値)
• ライン周波数
• 電源電圧の低下や瞬間的低下、上昇、停電、不足または超過方向の変動
• 相ごとの電圧 THD (全高調波歪)
• 相ごとの電流 THD
• 相電圧相互間の角度
• 相ごとのゼロ交差
• 固定小数点と浮動小数点のキャリブレーション・ファクター (較正係数)