スマート・アンプ

TI のスマート・アンプとは

TI のスマート・アンプ製品ラインアップは、標準的な Class-D オーディオ・アンプをベースとし、使用するスピーカの特性の把握を可能にする先進的なモデリングとアルゴリズムを提供します。TI のスマート・アンプは、把握した特性をもとに、より安定した深みのあるサウンド作りを可能にするとともに、熱や過度の変位に対する損傷からもスピーカを保護します。TI のスマート・アンプは 2 つのカテゴリで構成されています。

  • 1 つは予測型です。スピーカのモデルを作成し、オーディオをそれらのモデルに通すことで、スピーカの動作を予測します。予測アルゴリズムは、スピーカのサイズが大きい場合、ばらつきが小さくなり、動作がより直線的になるため、より良好に機能します。大型スピーカの場合でも、スピーカごとのヘッドルームのばらつきを考慮する必要があります。しかし、ダイナミック・システムを採用すると、大音量オーディオを生成するためにスピーカを一時的に限度まで上げることができます。
  • 2 番目はフィードバック型です。フィードバック対応のスマート・アンプでは、電流および電圧(IV)センス機能が DAC と Class-D 予測型ソリューションに追加されます。この IV センス機能により、スピーカのボイス・コイル温度の直接測定が可能になるほか、スピーカごとのばらつき、温度の影響、負荷によるスピーカの変化を検出できるようになります。こうした情報のアルゴリズム処理により、スピーカの追加 SPL を抽出できます。
 

低消費電力オーディオ・スマート・アンプ、小型のスピーカ、デバイスで大音量サウンドを発生させる方法について解説します。スマート・アンプは、デバイスのスピーカのパフォーマンスを監視し、大音量サウンドだけでなく、低周波信号を含む深みのあるサウンドを生成します。

通常のアンプ・システムとスマート・アンプ・システム

通常のアンプ・システム

  • 継続的なスピーカ・モデリングおよび保護に対するサポートなし
  • スピーカ保護のために圧縮とクリッピングを使用することから、音質が低下
  • スピーカ損傷の防止に限界


スマート・アンプ・システム

  • システムが継続的なスピーカ・モデリングをサポート
  • 最適なサウンドと信頼性を実現するために出力電力とピークを常に最適化
  • ピークの保持によりクリアな音質を実現
  • 変位ヘッドルームにより低音域を改善


スマート・アンプの保護機能

  • スピーカでは、動作中にボイス・コイルの発熱や薄膜の変位が生じます。
  • スマート・アンプは、スピーカの機械的、電気的、音響的特性の高度なモデリングに基づいて、潜在的に危険な状況を予測し、適宜、安全対策を実施し、スピーカを常に安全な動作領域(SOA)内で動作させることができます。


スマート・アンプの特長と利点

システム・コスト

  • 小型軽量のスピーカを使用
  • 優れた直線性、ダイナミック・レンジ、感度
  • 総システム・コスト低減

リアルタイム診断

  • 継続的なスピーカ診断
  • 温度と変位プロファイルの綿密な管理
  • システム内チューニング機能

優れたオーディオ特性

  • ラウドネスと音質の向上
  • ダイナミック・レンジ:ピークの圧縮や制限なし
  • スペースに制約のある設計に最適

使いやすいツールとソフトウェア

  • 使いやすく強力な GUI による開発時間の大幅な短縮
  • システム信頼性の向上
  • 最終製造試験のサポート

中出力スマート・アンプとは

TI の中出力スマート・アンプ・ソリューションは、高集積の包括的な自動化アプローチにより、スピーカのモデリングが可能で、フォーム・ファクタの低減と音質の大幅な向上を実現します。たとえば、スピーカの損傷を招かずに、 10W の平均的なスピーカを 300W のアンプで駆動できます。オーディオのピークを圧縮したり、制限したりせずに、深みがあり、訴求力の強いミュージック再生が可能になります。スピーカとスピーカの温度プロファイルが綿密に管理され、より基本的な低音域周波数が再生されることから、低音域特性の向上が実現します。

中出力スマート・アンプには、 TI が開発した予測アルゴリズムが使用されています。スマート・アンプは、スピーカの機械的、電気的、音響的特性の高度なモデリングに基づいて、損傷の恐れがある状況を予測し、適宜、安全策を取り、スピーカを常に SOA 内で動作させることができます。

予測型スマート・アンプ・アーキテクチャ

主要な製品
製品名 概要 サンプルのご注文 データシートのダウンロード 評価ボードの注文
TAS5766 20W スマート・アンプ
TAS5768 20W スマート・アンプ、3 値変調機能付き

低消費電力スマート・アンプとは

低消費電力スマート・アンプは、予測モデルに基づいたアンプで、リアルタイムの正確な電圧および電流センシング機能が追加されており、保護アルゴリズムにフィードバックを提供します。

このデバイスでは、フィードバックを利用して、スピーカの状態を監視し音質を最適化します。ポータブル電子機器では変位機能に制限のある超小型スピーカ・ソリューションが使用されているため、これらのアプリケーションで大音量を実現するにはフィードバックが不可欠です。このフィードバックによって、リアルタイムでの温度監視と、スピーカの過熱防止が可能になります。

TI の低消費電力スマート・アンプ製品ラインアップは、集積型と非集積合型の両方のソリューションで構成されています。集積型デバイスには、I2S インターフェイスを使用して多くのホスト・プロセッサに接続できる単一のシステム・オン・チップ・ソリューション向けのオンチップ処理機能が内蔵されています。非集積型ソリューションには、同じ電圧および電流センシング機能が内蔵されていますが、スピーカ保護アルゴリズムを実装するためのオフチップ・プロセッサが必要です。どちらのソリューションでも、標準的な Class-D アンプに比べ、優れたサウンド・システムを実現できます。

フィードバック・スマート・アンプ・アーキテクチャ

主要な製品
製品名 概要 サンプルのご注文 データシートのダウンロード 評価ボードの注文
集積型ソリューション
TAS2555 5.7W スマート・アンプ、I-V センスとオンチップ処理付き
非集積型ソリューション
TAS2552 4.0W スマート・アンプ、I-V センス付き
TAS2553 2.8W スマート・アンプ、I-V センス付き

PurePath™ Console 3 とは

PurePath Console 3(PPC3)のリリースにより、TI のスマート・アンプをベースとした製品の開発が今まで以上に簡単になりました。スマート・アンプの集積と開発の全プロセスで、PPC3 の直感的なグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)を使用できます。デモから生産まで、PPC3 以外の開発ツールを使用する必要がありません。

  • 直感的な UI 設計と構成
  • ステップバイステップ・ウィザード
  • スピーカの特性評価とシステム・キャリブレーション
  • デバイス制御とオーディオ処理
  • Direct I2C と I2C モニタ
  • アップデートの自動通知
  • サポート対象の TI 評価モジュールの直接接続と認識
  • マウスオーバーで表示される、使いやすいリアルタイム・アプリケーション情報と包括的なプロセス・ウォークスルー